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よみかけ。

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読みかけの本について、本と過ごす生活、日々のよしなし事と読書。 ——的な感じで書くエッセイです。 ルールは、「読みかけの本しか扱わない」「文字数、投稿頻度に規定なし」と決めました。
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#日記

シャーロックに関する事件

やっぱりシャーロック・ホームズが好きだ。 ロンドンの寒空、背の高い男女がコートの襟を立て…

のり子
8か月前
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教養の壁

石川淳『江戸文学掌起』の「横井也有」の章からの孫引きである。 横井也有の鶉衣に大田南畝が…

のり子
8か月前
14

適当読書指南

さてわたしのり子が、ここ二ヶ月続けていること。 『よみかけ』なるエッセイシリーズ。 本シ…

のり子
10か月前
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尾崎翠・梶井基次郎 対 消費社会 

思わぬ再発見があったりして、文学の細部がもつ奥の深さを思い知る。 最近、金を使うという快…

のり子
10か月前
30

休肝日的なやつなのか、はたして

休肝日とかいう面白い言葉。 まず語感がいい。口なじみがある。加えて、この一語にその日以外…

のり子
10か月前
14

生活にとっての幸せ、人生にとっての幸せ

今日もまた本の話をしてしまう。 毎度変化も、芸も、工夫もない手前味噌な話題作りである。 次…

のり子
10か月前
19

本屋慕情

貧すれば鈍する。 わたしはこの夏、この言葉を知った。ある二種の出来事から。 お菓子と本。これらが教えてくれたのである。 1、お菓子を食べた。 わたしは日頃お菓子を食べない。ジュースも飲まない。コンビニに入るのは月に一度買うタバコを手にいれる時くらいだ。 この非美食性質はわたしのそもそもの嗜好というより、経験がつくったものだろう。わたしもサヴァランになれるならなりたかった。しかしその道を捨てることで、別のものを得ようとしたのだ。 心臓がヒリヒリするくらいお金に困った時

休むと衰えるが珍しいことなのでそれもまた良し

本を読んでない。 たしか昨日に限っては一行も、一文字も読んでいない。 そんな日は、一体何…

のり子
11か月前
19

のり子'sリュック 夏の選抜

明日、家を出る。 行き先は和歌山県。祖父母の家だ。 五日間滞在することに決めている。 居心…

のり子
1年前
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堕落者の末路

アニマル浜口が飛び出した。 私のスマホの中。 「気合いだ!気合いだ!気合いだ!気合いだ!…

のり子
1年前
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細胞だ、私は。

読書なる運動が、生活の中に組み込まれている人であれば多少、共感してくれるだろう。 生活環…

のり子
1年前
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離別の讃歌

本好きは、本を溜める。 しょうがなく溜まってゆく。 それはもう資本家の金の如く。ケンドリッ…

のり子
1年前
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モーツァルト、宮沢賢治、小林秀雄

ここ最近、モーツァルトばかり聴いている。 『クラリネット五重奏曲』 あるいは『フルート協…

のり子
1年前
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下鴨納涼古本市

今年も参加した。 アート・ブレイキーのドラムの如く窓を打ちつける大雨をもたらした台風も去り開催された古本市の最終日。 初日と合わせて五日ぶり、今年二度目の下鴨神社を訪れた。 たった五日前の景色とそこは別の国だった。 台風の通過は景色を一変させる。台風なるものの秘めるエネルギーに驚く。 到着早々、その熱気にやられた。 手を振るだけで水滴が掴めそうなほど湿度が高い。 密集する糺の森の木々が、湿気を捕まえて離さないのである。 気温が湿気によって二倍も三倍もでかい顔をする。そ