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悩みは、別の場所に行くために生まれる。

■悩みのない存在は、存在のない存在である


ルートヴィヒ・アンドレアス・フォイエルバッハの
言葉だという「悩み」についてのこの一節を
辺見庸さんが紹介している
(『生活と自治』11月号)。

ウォルト・ホイットマンは、

「人生の悩みをくぐった者ほど
生命の尊さを知る」

と言ったとか。
いずれにしても、「悩み」は必要なのだ。
いや、人は動いていれば、
いつの間にか
悩みが忍び寄ってくる。

「悩む時間があれば行動を」とも言うが、
そもそも何もしないで悩むだけの方が苦痛ではないのか。
私はいつも「当たって砕けろ」的な気持ちで
悩みの原因に向かう。
しかしそれは、チャレンジ精神などという言葉とは
無縁の代物だ。
そのままでは苦痛だから、
そうするしか選択肢がないのだ。
だからときには、震える足で進む。
このとき、
動力を与えるのは“悩み” なのだ。

■広瀬すず「悩みについて」


悩みについてそんなことを考えていたら、
先日観た
「情熱大陸」の二週目の最後で、
映画「流浪の月」の撮影を終えた広瀬すずさんが、
久しぶりに好物のラーメンを食べながら、
「悩み」について語りだした。

「なんか、悩める人でいたい。
悩んでるってことは何か、
自分はもっとこうなれるのかな、
とか、分かりやすく
そう思ってるってことなのかなって、
すごく今日、思ったので。
それは人として失くしたくないな~と
思います」。

彼女の「自分はもっとこうなれる」という
前向きな姿勢は、
誰もが真似できる訳ではない。
でも、
「自分は、(いまとは違う)
この場所に行ける」程度には
思えるのではないか。

たとえ、もがきながらたどり着いたとしても。

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