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星景写真のお話|#4|いちいちピント合わせしない。

ちょっとアレ?と思うかも知れませんが、結論から言うと、私は星景写真でピント合わせなんてやりません。もちろん近景にピント合わせしたり望遠レンズ使ったりする場合は別ですけどね。

とはいえ、ピント合わせは初心者にはなかなかやっかいで、星景写真のひとつのキモのように言われます。確かにそうです。最近は星景写真を撮る人も増えていますが、原寸で見る機会があれば、ほとんどはボケてます。恐らく本人は気付いてもおらず、レンズが少し甘いのだろうと思い込んでいるようです。

主なピント合わせの方法について解説します。

①AFで合わせる
明るいレンズで、特に月や金星、木星などの明るい星がある場合は、AFが効く場合があります。多種多様なカメラ、レンズがあるので、どのカメラならどの程度の明るさの星がAFが効くかは実際にテストしてみるしかありません。明るい星がない場合は、遠くの夜景や電灯などでピント合わせしてAFを切って固定します。精度の高い中央のAFセンサーが信頼できます。特に最近のフルサイズ一眼の中央1点は相当な暗さでも合わせる事が出来ます。
ピントが合ったら、AFを切ってピントリングを固定する事を忘れないようにして下さい。
②ライブビューを使用する。
明るい星をライブビューで拡大して確認します。この場合はAFではなく、MFにして手動でピントリングを回します。ライブビューでピントを合わせる場合は、まず背面モニター画面の明るさを最大にします。ピント合わせの時には、星がちゃんと見えるよう、感度を上げてシャッタースピードを長くしわざとかなりの露出オーバーにした方が見やすいです。SONYにはブライトモニタリングという機能がありますピント拡大と併用出来ないのが残念です。星を中央に入れたら、10倍拡大して合わせます。星が最も小さくなる位置を探します。明るい星であればかなり容易に合わせられます。
③レンズの距離目盛を合わせる。
キヤノンのLレンズなどの高級レンズには距離目盛がついています。ここの∞(無限遠)に合わせる事で、だいたい正確にピントは合います。念のためですが、∞マークのどこで合うのかはメーカーによって違いますので確認してください。厳密に合わせるには、事前にキッチリピントを合わせた位置に目印をしておく事をお勧めします。

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私の場合、レンズによりますが、合っている状態でシールを貼ったり、写真を撮っておいたりしています。

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温度変化でピントが変わる事もありますが、基本的にそれはプラスチック製の安物キットレンズの話です。望遠レンズを使う場合、基本的には同じなのですが、精密なピント合わせが必要なので、その都度ピントは確認します。

もはや旧レンズですが、私が常用していたZeiss Distagon T* 21mmF2.8(星景写真において、神レンズと言われた)のようにピントリングの端に∞があり、カチッと回すだけのレンズは本当に楽です。私が知る限りでは、これが可能なのはZeissだけです。私はあとMacro-Planner 50mm F2.0を持ってますが、こちらも端に∞があり、カチッと回すだけです。

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ということで、通常の星景写真(超広角や広角で星空にピントを合わせる場合)ではいちいちピント合わせなんてしないのです。星景写真が多いので、常時無限遠位置で固定されてます。撮影時はそれを一応確認するだけなのです。ピント合わせでモタモタ時間喰ってたら、星景といえどもシャッターチャンスを逃しますよ。

最近ですと、SONYのFE24mm F1.4GMをよく使いますが、こちらのレンズはマニュアルフォーカスだと距離表示されます。この距離を確認して14mくらいに設定します。(事前の確認でそこが最もピントが合っていてコマフレアも少ないからです)これは個体差もあるかも知れないので、数値は参考にしないでくださいね。

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