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星景写真のお話|#3|星景写真向きのカメラ

これから本格的に星景写真をやってみたいのでカメラを買いたい、もしくは買い替えたいと思っている方向けの、軽い話です。

現在のデジタルカメラは、どんな製品でも普通の昼間の撮影なら十分に綺麗に撮る事が出来ます。しかし、星空は暗いので、基本的にはISO感度を上げて長時間露出をする事になります。そうすると、通常では問題にならないようなノイズの影響を大きく受けることになります。つまり、星景撮影には高感度、長時間露出でノイズの少ないカメラを選ばねばなりません。こういう情報はカタログにも載っていないし、カメラ店や普通のプロカメラマンに聞いても知りません。ネットで上手く検索するか、私のように実際に星景を撮っている人に相談しましょう。

星景写真を撮るには、最低でも長時間露出が可能なカメラが必要です。コンデジなんかだと長時間露出が出来ないものもあるようです。スマホでもたいていは出来ませんよね。長時間というのは10秒とか20秒とかの話です。
もちろんB(バルブ)があればシャッターを押している間ずっと長時間露出が出来ます。

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星景写真に有利なのは、やはりセンサーサイズの大きなカメラです。結論としては35mmフルサイズのカメラになるでしょう。

もっとセンサーサイズの大きなカメラもありますが、様々な理由でお薦めできません。なぜ中判などフルサイズより大きなセンサーのカメラではダメなのか?一例としては、レンズの種類が少なく、特に超広角だの魚眼だの全くなく、大きく重く暗いのです。もちろんカメラ自体も大きく重いですしね。現実的にはお値段も高いですし、種類は少ないし、、つまり競争がゆるいので煮詰まってないんですよね。なのでフルサイズのように高感度長時間での性能なんて、まだまだちゃんと考えられてないんです。それが一番の理由ですかね。

さて、具体的なカメラの話ですが、2.3年ほど前でしたらCanon EOS 6D EOS 5D3、Nikon D810(D810A) D750 なんてところのフルサイズ一眼レフが星景や天体の定番でした。

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EOS 6Dってのはもうかなり前のカメラになりますが、いまだに天体写真の世界では最も使われているカメラです。私ももう長い間、これを2台使っております。1台は天体改造(IR改造)です。今からでも、安いのでおすすめできますよ。安いので2台買っちゃうのもいいですね。ちょっと良いカメラ1台よりはるかに使えます。

少しだけ脱線しますが、同じカメラの2台持ちはお薦めです。操作も全く同じですし、パノラマ星景には最適なんです。同じカメラ、同じレンズの2台があれば超々広角の2枚が一度に撮れます。

私も昔は性格の違うカメラを2台持ちしていました。それが賢い持ち方だと思っていました。例えば、5DMarkⅡと7Dの組み合わせを長く使っていました。星景や風景は5DMarkⅡ、飛行機やスポーツなどは7D。でもこの2台でさえ操作性は少し違うんですよね。少し前も同じような感じで5DMarkⅣと7DMarkⅡを使っていました。

今はフルサイズだとCanon2台とSONY2台なので、操作が違ってて撮影の時に未だに慣れないんですよね。あと、結局、APS-Cは小さく軽い、安いというメリット以外にフルサイズにかなうところはありません。APS-Cは望遠が有利だと言う人がいますが、フルサイズでトリミングするのと変わりません。

話を戻して、
現在はミラーレスが台頭してきておりますよね。NikonやCanonも出しましたが、フルサイズミラーレスではやはりSONY。私が持っているフルサイズミラーレスのα7RⅢ、これ高画素ではありますが高感度もまずますイケます。追尾してピクセルシフトマルチだとかなり綺麗です。一般的に高画素のカメラは高感度が弱いので星景写真向けとは言えないんですが裏面照射などの新しい技術も一般化して、高画素だからダメ、というわけでもなくなりつつあります。もともとα7RⅢは星景用に買ったわけじゃないんですが、今、一番星景で使ってるのはこれです。今から買うのであればα7RⅣもありますが、私はコスパ的にはお薦めしません。画素数も上がりすぎてますしね。まあどうしても新しくて高画素の方がいいよ、という方はお好きにどうぞ。

もう一台私がSONYで使っているのが、α7SⅡ、ちょっと古いのですが、まだ新型が出ません。ずっと待ってたんですが、我慢できずに去年買ってしまいました。知ってる人なら今さら語ることもない、高感度番長です。最高ISOは40万超え。すごいですねえ。まあ流石に10万以上は実用的ではないですけどね。

で、私が持ってる4台、どれもお薦めではあるんですが、今から買う、しかも星景写真を中心で撮りたい。なんて人に、今(2020年2月初旬)、おすすめするのはこの2台です。

SONY α7Ⅲ

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Nikon Z6

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これですよ。これしかないでしょ。いや、私持ってないですけどねw 知り合いは何人か持ってますし、作例も嫌と言う程見てますので。。

まあ、この2台、センサーは基本的に同じのようです。高感度強いです。
ISO 10万くらいまでならα7SⅡより良いのではなかろうかと思います。現在の最強ですね。

EOS Raというのも出ましたが、いまいち力が入ってない気がします。ウリはピント拡大30倍だけ?ちょっと問題なのは値段ですね。EOS Rがもうそこそこ安いもんですから、EOS Rを買って天体改造(3万程度)した方が良い気がします。もちろんメーカー純正の意義は大きいので、そこが欲しい人はどうぞ。

あとは、PENTAXFUJIは個性的ですし星景にも良いですね。PENTAXのアストロトレーサーなんて便利なので星景写真ではPENTAXも人気があります。
FUJIは色で人気があります、いわゆる富士の色ですが、赤は良く出ますね。APS-Cなのがやはり弱いですけどね。画質良いとは言っても。

両社で問題なのは、やはりレンズでしょう。レンズのお話は次回やろうと思いますが、CanonやNikon、最近でしたらSONYを選ぶ人が多く、またお薦めも出来るのは、レンズの豊富さですね。純正レンズの豊富さもすごいですが(ミラーレス専用はまだまだですが)レンズメーカーもまずはCannon EFですよね。そしてNikon F。SONY Aもやっと増えてきました。私、星景だけを撮ってるわけじゃないので、長望遠、あるいは望遠鏡、マクロも5倍マクロとか、魚眼も全周魚眼とか、シフトレンズなんかも使います。なのでいまだにほとんどのレンズはCanon EFです。SONYでもアダプターで特に問題なく、持っている全てのカメラで使えますしね。

あと、今更感はありますが、NikonのD780も良いですね~。私も今更Nikon Fに戻ろうなんて思いませんが(フィルム時代の最後はNikon FE2でした)そのままNikonユーザーだったのなら欲しいかも。もしそうならすでにD5とかD850とかD810Aとか買ってると思いますので,多分買わないんでしょうけどね。(Z6も買ってると思います)

これから、という話をすると、CanonからR6というのが出るという噂です。新設計の2000万画素ということらしいので、期待が高まりますよね。あとはやはりSONYの次期マシン、α7SⅢ、(α7SⅣになるという話も)α7Ⅳですかね。これも噂はずっと出てますが、まだ発表はありません。私も期待はしてます。でもα7SⅢ、どうなるんでしょうねえ。あまりに高額になるようならα7Ⅳにしちゃいますかね。

これから、Canonが巻き返すのか、SONYがさらに引き離すのか、わかりませんが、私の希望としてはSONYにはとにかくバリアングルか3軸で、縦位置撮影に対応して欲しいですね。Canonにはやはりまず高性能なセンサーを、あとは遅れている機能(IBISやUSB給電など)の搭載を望みたいです。細かいこと言うといっぱいあるんですけどね、期待する事は、、

ま、星景写真ならこのカメラ、ってのはこんなもんです。需要があればもう少し詳しい話をしてもいいですけどね。
次回はレンズの話かな?




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