見出し画像

誰でも撮れる。星空のパノラマ写真。

1、はじめに

パノラマ撮影用の機材がなくても、パノラマは撮れますっ。合成処理も、LightroomやPhotoshopは必要なし、フリーソフトでやっちゃいます。

必要な機材
カメラ、レンズ、三脚、パソコン

カメラは長時間露出が出来て、普通に星空が撮れるならなんでもOK。レンズは広角の方がやりやすいですが、何でもOK。三脚もそろっと操作すれば小さなものでもOK。

もちろん、本格的にどんな条件でも撮れるようにするにはそれなりの機材は必要なんですけどね。一定の条件を満たしさえすれば、星景パノラマは案外簡単にできます。

(注意1)
ただ、それは星空を撮っている方なら、ということで、星空なんて撮った事もない、という方ではまず無理です。星空の撮り方の基本はこちらの記事で解説していますので、まずは星空を普通に撮れるようにしてくださいね。

(注意2)
カメラやその他の機材で、パノラマ撮影機能があるものもありますが、基本的には昼間の明るいところで手持ちで高速連写出来る事が前提なので、星空に使えるものではないと思います。

2、パノラマのメリット

メリットは大きく2つだと思います。

 1.超広角なんて持ってなくても、広ーい範囲の写真が撮れる
 2.高画素のカメラなんて持ってなくても、高画素、高解像度で撮れる

動き物は難しいですけどね。風景や星空で使わない手はないですよね。

そして、いまとなってはパノラマは、実は星空の方が、一般風景などより簡単に撮れるんです。昔は星空は簡単には合成出来ませんでした。自動的にパノラマ合成なんてされなかったからです。星空は多分、ゴミだと認識したんだと思います。なぜ星空の方が簡単かと言うと、だいたい遠景ばかりなので、ややこしい事を考えずに、本当に簡単に素晴らしいパノラマがとれるんですよ。

3、作例

もちろん、パノラマにも色々ありますが、まずは単純な、数枚の水平方向のパノラマをやってみましょう。

作例です。これが、

画像3

こうなります。

画像3

ちょっとレタッチしてますが、こんな感じです。

4.撮影方法

注意事項を踏まえながら、撮影してみましょう。基本的には水平方向にカメラをずらしながら何枚か撮るだけです。隣り合った写真に必ず重複部分を作るようにします。各画像の40%程度の領域を重ねると良いとされています。30%~50%くらいで、厳密にやる必要はないです。

魚眼や超広角は、最初は避けた方が賢明です。歪みや周辺減光が大きいからです。現在の優秀なソフトはこのあたりもかなり修正してくれますが、全くダメな場合もあります。

①三脚をセットし、水平を出す。
精度が高いに越したことはありませんが、数枚程度のパノラマであれば、撮る範囲を水平に動かしてみて、だいたい合ってたら大丈夫です。
➁焦点距離、絞り、感度等の設定は変えない。
ここはちょっと大事です。マニュアルで設定します。一度設定したら、これらの設定は変えずに撮影します。
③同じ位置から撮影する
三脚自体は固定です。同じ位置で、雲台で撮影方向の回転だけを行います。

これだけです。

5.合成方法

撮影した数枚の画像は、パノラマ合成して1枚にする必要があります。LightroomやPhotoshopで出来ますが、これらがなくてもフリーソフトで大丈夫。いくつかありますが、ここでは昔から定評のある「ICE」を使ってみましょう。英語だし、操作が難しく感じるかもしれませんが、実は使い方はとても簡単です。基本的には画像をドラッグしてNEXTボタンを押すだけです。

ダウンロードはこちらから
Microsoft Image Composit Editor(MS ICE)

正確に説明するとかなり難しいところもあるんですが、特殊な状態の写真でなければ、特に考えるようなところはありません。

作例でやってみましょう。

1.ICEを起動します。
上部3つのボタンの一番左、New Panoramaをクリックしてパノラマ処理を行う画像を選択するか、ドラッグ&ドロップでも入力できます。

画像3

2.STITCHをクリックするか、上部右端の NEXTクリックでパノラマ合成処理が実行されます。そのままでいいですが、おかしかったら投影法、画像回転、ゆがみなどを調整します。

画像4

3.CROPをクリックするか、NEXTをクリックします。画像の使用範囲を切り抜きます。

画像5

4.EXPORTをクリックするか、NEXTをクリックします。
画像データの保存設定を行い、保存します。

画像6

保存された画像

画像7

少しレタッチします。

画像8

いかがでしょう?思ったよりずっと簡単でしょう?

この画像、あと2枚も使えば綺麗な天の川アーチになります。
天の川アーチを綺麗に撮るには色々と知らなければならない事も多いので
別記事でやるかも知れません。

簡単に出来るパノラマですが、ある程度、作品として通用する、やや詳しいパノラマ撮影は、私のNORI星景写真講座でもやっています。6月からは実講座も再開しようかと思っています。需要があればパノラマ講座も動画にしてみます。Photoshopの講座はすでに全て動画にしていますので、オンライン視聴やDVD送付もやっています。興味のある方はぜひ(^ ^)

画像9





この記事が参加している募集

カメラのたのしみ方

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?