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早起きしたら世界が新しかった話


川沿いの変態との出会い

今日は一生で覚えている中で一番早起きした。
というのも今後、北海道の過疎地域の為の活動しようと思っているので、動画編集の練習として“日の出“を撮ってみたかったからだ。

前夜に“日の出”時刻を調べる。3:57…早っ…
私は朝にめっぽう弱いのでひるんだが、やったことないことを始めるスタートしては良い試練と感じた。

翌日、爆睡中だった聴覚に鳴り響くアラームを睨む…ツライ…自分と約束したじゃないかと言い聞かせ、まだ寝ている身体を奮い立たせる。眠い…

空はうっすら明るんでいて良い天気。よし、撮影日和だな。撮影場所は近所の豊平川にしようと思っていた。寝巻きの上にパーカー姿といかにも起き立てホヤホヤの状態で外に出る。


外気はヒンヤリしていて空気が澄んでいておいしい。世界もまだ眠っているような気がした。
しかし川沿いまでくると、タクシーが行き交っていたり、少ないがランナーの姿も見える。同じく日の出を見るためなのか椅子を持参して川沿いで佇むおじさんもいる。
眠っている世界を独り占めできるのでは?…と思ったが既に世界には1日を始めている人たちがたくさんいて驚いた。
朝弱い自分からするとここにいるやつみんな変態…
そんな変態たちを横目にiPhoneで写真や動画を撮ってみる。変態たちの目が気になって早朝に撮影といういかにも変態っぽいことしている自分がなんだか恥ずかしい…

日の出はビルの後ろから赤く染めていった。TVで日の出と夕日が赤い理由について光の波長が…とか地球との角度が…とか見た気がするが、文系の私からするとそんなことより1日の始まりと終わりの色が特別な色に変わるってロマンチックと思う私ロマンチックだなと思った。
光に染まっていく街とそこに佇む変態たち、優雅に空を飛ぶ鳥、それを肌で感じてる時間がいつもと質が違って不思議な感覚がした。


早起きで持て余す時間 “本坊元児”って誰?


家に戻る。時刻は4時過ぎ。出勤は7時だから、3時間もある!
せっかくだから意識高い系女子がやりそうなことをやる。ヨガとバランスの良い朝食。朝食は味噌汁と納豆ごはんと浅漬け。温かい緑茶。フルーツがないのが減点ポイント。

清々しい気持ちでほっと一息すると二度寝の欲求にかられる…穏やか過ぎる朝に休日のような錯覚に陥ったが、ここで二度寝したら遅刻する気がした。
折坂悠太、中村佳穂、ハナレグミ、くるりのYouTubeをみて更に最高の朝に近づく。

ふとYouTubeのトップにでてきたとろサーモン村田さんが作った「本坊元児と申します」というお笑い芸人の2年間のドキュメンタリー動画を見ることにする。


結果からいうと“最高の朝”から“切なく複雑な朝”になった。
アルバイトが忙し過ぎるのに生活がぎりぎりの売れていない芸人の葛藤、心の荒んでるときに出る生々しい言葉…人との繋がりからの心の変化、地元の人たちや両親の想い、そして予想外の“オチ”…
映画やドラマで“ハッピーエンド”や“バッドエンド”のわかりやすい“オチ”に慣れていたから終わり方に拍子抜けしてしまった。
それもそうだ。毎日の生活は簡単には変わらないし、2時間で終わる映画とは違って死なない限り人生は続いていく。“エンド”は死ぬ時だし、死んだ後はそれが“ハッピー”だったのか“バッド”だったのは自分で考えることもできない。その動画は“本坊元児”の人生の1部を切り取った動画であり、“オチ”は彼の人生の“エンド”ではない。彼の人生はこれからも続いていくのだ。
お笑い芸人は、人の小さな可笑しいところを上手く切り取る職人だから、拍子抜けだった“オチ”が芸人らしいとも思った。動画を勧めれるか聞かれたらよくわからない…
複雑な気持ちになり、頭を休めたくて結局10分だけ二度寝した。


本日2度目の朝 ニュースの見え方に変化を感じる


2度目の朝だ。相変わらずの気持ちの良い天気に今日の続きであることを実感する。
一度目覚めた身体だから朝のニュースもクリアに入ってくる。
コロナで面会制限された人が着ぐるみならばと抱き合う様子、中国の客足が減少した百貨店にて店内をバーチャル探索し、買い物できるアプリについてやっていた。
コロナで人同士が触れ合うことができなくなり、バーチャルな世界が加速している。
バーチャルな世界は視覚と聴覚は満たせるのかもしれない。しかし視覚も画面の奥の人が見せたい方向からの視覚、聴覚も現場の空気の振動は感じないから100%ではない。今日1度目の朝に感じた肌を撫でる冷たい風や美味しい空気、つまり触覚・嗅覚・味覚は“その場“にいないとわからないのだ。
人の五感は脳への電気信号らしい。今日私が感じたと思っている世界も電気信号を宇宙人に操られていたならば“本当”ではないのかもしれない。でも間違いなく“私の意識の世界”では“本当”の出来事なのだ。
バーチャルな世の中が進むと将来的には脳への電気信号だけで生活をし、実際に生身の身体が不要になる時代が来るのかもしれない。
でも私は一緒に人生を過ごし、最近では老いも感じるこの身体でこれから人生も過ごしていきたい。


通勤中の気づき


すっかり目覚めている身体は本当に感受性が豊かだ。通勤中、いつもは地下鉄で寝ているが目が冴えてるからnoteを読むことにした。たまたまBKB(ピンのお笑い芸人)がnoteやっていることを知り、読んでみる。BKBはバイク川崎バイクの略で“BKB”であいうえお作文みたいなことをしてヒーアと連呼する嫌いじゃないがよくわからない芸人という印象であった笑
”好き”の数に驚き、読んでみる。

本当に驚いた。地下鉄なのに思わず泣いてしまった。BKBってこんな才能あふれる人だったの?BKBいうてるだけの人じゃないんだ…

私はお笑い芸人を大尊敬しているが、日々面白いことを追求し、売れるかわからなくても芸人として生きる覚悟している人たちは、やはりどこか変わっているし、面白い。
しかし、まさかあの芸風のBKBが…とは思ったが笑
文才芸人といえば癖の強いネタしかないAマッソの加納ちゃんの文章も素敵だからぜひ読んでみてほしい。

涙をぬぐって地下鉄を降りる。


いつもはまじで半分寝ながら歩く道のり。(眠すぎて目つぶって点字ブロックを使って歩いたこともある)しかし、覚醒している私は色んなものに気づく。
赤いマウンテンバイクで車並みの速さで走る白髪のおじさん。朝の車通りの多さ。
この時期しか見れない木や草の生き生きとした新緑に昔も同じく感動したこと。
何度か見かけたことはあったが、白杖をもつおじさんといつも一緒の家族らしき優しそうな女性。
思春期独特の自意識強そうな前髪長めの男子中学生。ちなみにその着ているジャージが、私が中学生当時、紫の芋ダサジャージから革命を起こし、新しく採用したジャージを着ていた。当時革命だったはずのジャージは今見るととてもダサかった。男子中学生もどこか恥ずかしげだった。


早起きっていいね


早起きしたことでこんなに自分の感受性に影響を与え、見える世界を豊かにしてくれるなんて思ってもみなかった。朝型になれるよう明日から早起きを頑張ることにする。
早起きは三文の徳って今なら全力ドヤ顔で言える。
早起きしてみんな一緒に変態になろうぜ。


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