見出し画像

実食!ピカールのグリンピース Les petits pois de Picard

Bonjour! 東京から陸サーファー的にフランスを語るわたくし、新行内です。

フランスでは食事の時、Entrée アントレ(前菜)、Plat プラ(主菜)、Fromage フロマージュ(チーズ)、Dessert デセール(デザート)の順に食べることはみなさんご存知だと思う。

このルールは留学時代に住んでいた学生寮での食事にも例外なく適応されていた。当時50人以上の女子学生が在籍していた寮では、食事は6人掛けのテーブルにつき、そのテーブルごとに料理が配られた。

大皿に盛られたEntrée がまずテーブルにどんっと置かれる。その大皿をまわして自分の分を皿に盛り食べる。Entrée を食べ終えると次は主菜と付け合わせの大皿が運ばれてくるという具合だった。

そのメインの付け合わせで月一ぐらいで出てきたのが、グリンピースの煮物だった。大きな鉢に盛られたグリンピースの量に、「これが6人前か!多すぎるだろ!」と心の中で突っ込みを入れていた。

ひとり目が鉢から自分の皿のステーキの横にこのグリンピースを少しだけよそった。そして次の人に鉢を回す。その子もほんの少しだけよそって次に回す。一番最後の私のところに回ってきた鉢にはまだまだたくさんのグリンピースが残っていた。

ははーん。きっとまずいのだな、この料理。私はそう睨んだ。他の付け合わせの時はみなたくさん取るのにみんなほんのちょっとずつしか取らないのだから。私自身グリンピースと言えば、チキンライスやチャーハンに慎ましく混ぜ込まれている類のもので、これが単体で主役を張れるような素材とは思っていなかった。だからこのザ・グリンピースの副菜の味について大いに懐疑的であった。私は他のみんなに倣い、スプーンに一杯だけよそって鉢をテーブルの真ん中に戻した。

嫌いなものから食べるタイプである。皿に盛ったものを残すのはマナー違反なので、どんなに苦手な味でも絶対このひと匙分は食べきるぞと決心してその緑色の豆を口に運ぶ。

あれ、これ思ってた味と違う!コクがあって、ほの甘くて、なにより豆の皮が柔らかくて...美味しい!!

私はもう一度テーブルの鉢に手を伸ばし、グリンピースのおかわりを皿に載せた。それを見たフランス人学生が、「それ、美味しいと思うの?」と聞いてきた。「すっごくおいしい!!驚いた。なんでみんなもっと食べないの?」と答えると、みんなは顔を見合わせると、ひとりが、「そうね、私たちはもうこれを人生で食べすぎてしまったんだと思う。」と言った。そしてもうひとりが、「これは、冷凍のグリンピースでしょ。旬の時のマルシェで買ったグリンピースで作るとめっちゃおいしいんだけど」と教えてくれる。

うまい、うまいと食べる私に、「そんなに美味しいなら、うちのママンが作ったやつ食べさせたい。」と言ってくれる子もいた。

それから、月一ぐらいでグリンピースが出た時には、みんな面白がって、「あっ!ノリコの大好物だ。ほらもっとお食べ。」と笑いながら、私の皿にあり得ないくらい大盛にグリンピースをよそったりした。

前置きの思い出話が長くなってしまった!

ということで、前回のパン・オ・ショコラに続き、先日ピカールで購入したグリンピースを使って、寮で食べていたあの懐かしい味を再現したいと思う。

まずはベーコンと玉ねぎをたっぷりのバターで炒める。玉ねぎがしんなりしたらグリンピースを凍ったまま入れ、ひたひたのお水、砂糖、コンソメを入れて煮込む。この砂糖を加えるのがポイント。そして水気がなくなってきたら塩と胡椒で味を調えて出来上がり。クリームを加えて煮ても美味しいと思う。

ミートボールの付け合わせにしたら、家族にも好評だった!

味の再現は大成功!まさにまさにあの味だった!!

みなさんにもぜひ作ってみていただきたい。

よろしければサポートをお願いします!いただいたサポートは今後の記事の取材費としてつかわせていただきます。