Surimi (シュリミ)のサンドイッチ

Bonjour! 東京フランスかぶれこと新行内です。陸サーファー的にフランスを語っております。


日本食が世界的なブームになってから久しく、もはやSushiやTempuraは世界共通語になっている。

しかし私が留学していた時代(1999~2000年)のアンジェという街には、中華レストランは数軒あったが日本料理店は1軒もなかった。

なのでどうしても和食が食べたくなると、寮の共有キッチンでフランス人学生たちから好奇の目で見られながら、持参した米を鍋で炊き、簡単なおかずを作って食べるしかなかった。

昼食時には、大学の構内にいつもサンドイッチやら菓子パンを売りに来るおじさんがいたので、そこでパンを買って食べることが多かった。

ある日、彼のサンドイッチスタンドに Sandwich Surimi と手書きの札が貼ってあるのを発見した。

SURIMI・・・。聞き覚えあるこの言葉。すり身?いや、そんなはずは。日本料理店さえないこの街で、すり身なんて日本語が通じるなんてあり得ない。きっとそんなアラブ系食材があるんだろう、はたまたこれはフランス語で、勉強不足の自分が知らないだけなのかもしれない!焦る自分を落ち着かせながら、私は事実を確かめるべく、おじさんの前に歩み寄り、尋ねた。

“Monsieur, C'est quoi, ce Surimi?" 「このSurimiっていうのは何ですか?」

おじさんは、神妙な面持ちで話しかけた私に、肩をすくめてこう答えた。

「スリミじゃなくてシュリミだよ、シュリミ。知らないのか?魚で出来たケーキみたいなもんだよ」

「えっ?じゃあこれ、日本のものなんですね?わ~驚いた!」

「いや、シュリミはフランスのもんだと思うぞ。よくわからんが。」

とにかく実際問題、これが何なのか。知りたくなった私はそのSandwich Surimiを買い、逸る気持ちを抑えて食べてみた。中から出てきたのはカニカマだった。

確かにカニカマはすり身で出来ている。カニカマ君、君は人知れず海を渡り、よりプリミティブな芸名をつけられてこのフランスの地で頑張っていたのだね。

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これはスーパーの広告 もうフランスの食生活に欠かせない存在です。
画像はこちらからお借りしました。


それからたびたびそのサンドイッチを食べるようになった私であった。

それでは A bientôt!

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