B線TNS日記 68 その香水のせいだよ
某月某日 TNSにて
次男はちょっと心配なことがあると私の匂いを嗅ぎにくる。
そうっと近づいてきてぴたっとくっつき、肩のあたりに鼻をつけてくんくんと嗅いだ後、そそくさと元の場所に帰っていく。寝つけない夜も隣に来て私に鼻をくっつけてくんくんした後に自分のベッドに戻っていく。
「なんでお母さんの匂いを嗅ぐの?」と聞くと、「落ち着くから」と答える。
思い返せば高校2年生になった長男も小さい頃同じことをしていた。
多分それは私がつけている香水のせいだ。
若い頃から、お線香の匂いがするとよく言われてきた。
線香の香り成分のひとつ、白檀が入った香水が好きで使用している。白檀と聞いてピンとこなくても、サンダルウッドと英名で言えば通りが良い。
テスティングして気に入って買った香水は後で調べてみると必ずサンダルウッドがベースノートだ。
サンダルウッドは昔から瞑想や宗教儀式の時に使われていて、集中力を高め、不安や興奮を落ち着ける効果があるらしい。
まさに私でアロマテラピーを行なっていたのだ、我が息子たちは。
香りと記憶って密接につながっている。
街で今は会うことが出来ない人の香水の香りとすれ違い、その人に会いたくなって涙ぐんでしまったり、日に焼けたカーテンの匂いで小さな頃の思い出が一気に蘇ってきたり。
瑛人が昔の恋人との日々を思い出しちゃうのをドルガバのせいにするのも仕方がない。
トゥールトゥットゥットゥー♪
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