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B線TNS日記31 赤坂からの帰り道

某月某日 TNSにて

今日はTNS日記というよりは赤坂日記かもしれない。

久しぶりに会う友人と赤坂の虎屋で待ち合わせをした。(写真はその時食べた栗おこわ。おいしかった!)

その友人とは5年ほど前、食をテーマにしたzineのお仕事をきっかけに知り合った。(そのお仕事も素晴らしいご縁で関わらせていただいた。いつかそのzineについても書きたいと思う。)

お正月の銀座で初めて出会った時、彼女は着物姿だった。お互いに自己紹介をして、彼女がライターであり、着付けと茶道講師もしていると知り、その着物の着こなしの美しさに納得したものだった。

その時は少し話すぐらいしかできなかったのだが、その後もSNSを通じて連絡を取り合い、実際に何度か会ってゆっくりと語らう機会を持ってきた。年齢も近くて興味関心が似ていることもあり、勝手にも、もう昔からの友人のように感じている。

今回も、共通で興味のありそうなテーマの企画展に誘ってもらったのだった。

展示を見終えて、お互いの近況についておしゃべりをした。私の方は、ライティングや翻訳の仕事を頑張っていきたいと意気込んではいるのだが、どうにもその方向性が定まらず悩んでいることを話した。

友人は、情けないくらいに堂々巡りしてしまっている、愚痴に毛が生えたような私の話を辛抱強く聞いた後、的確、且つとても納得できるアドバイスをくれた。

良いアドバイスとは、相手のことをよく観察、理解し、第三者的な目線からなされるものだと思っているのだが、私の稚拙な話から、私の迷いの部分を鋭く見抜いて、そこにすこーんと腑に落ちる、良き助言を与えてくれたのだった。そしてその助言は私に勇気と自信も与えてくれるものだった。嬉しかった。

私には人より秀でた部分は特にないけれど、素晴らしい人たちに出会う才能はかなりのものだと思う。学生時代からの友人、仕事での仲間、子育ての苦楽を分かち合うママ友、みな前向きで温かく、見習うべきところの多い人たちと出会ってきた。

以前、今は鬼籍に入られた児童心理学者の佐々木正美先生のお話を聞く機会に恵まれたことがある。そのとき佐々木先生は、「人間は他者との関わりの中からしか本当の幸せを感じることはできない」とおっしゃっていた。そしてその言葉はいつも、今回のような友人たちとの語らいからの帰り道に、私の脳裏に浮かんでくるのだった。


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