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美しい写真にのせてお届けする心の詩   №002~№006

№002 無理しなくていいんだよ

無理しなくてもいいんだよ

人間の心やからだもね
長い年月を経て進化したんだ
だから無理してなんでも社会の変化に
ついて行く必要はないよ

AIが普及した先もね
人間は逆に戻って行くと思う
自分の声で話す、歌う
自分の手で絵を描く
愛する人に料理を作る

人間はそういう事でしか
自己を確認出来ないから
       小説『アプサラムーン』より

解説

AIの進化に左脳の機能を代替された後の世界では、人類は右脳の世界へと戻って行くのではないだろうか…私は常日頃そう感じている。
拙著小説『アプサラムーン』の主人公で人工知能学者の「中萩ただし」は、自身が開発したAIが人類の膨大な歴史データの中から掘り起こした心霊現象と出会う。
ただしはそこから人間の心の深淵を覗くという自身の心の闘いへと入って行くのだ。

№003 止まった時間

何もしたくない僕は時間を止めた

何もしたくない時は
何もしなければいい

でもそのためには
時間を止める必要がある
だから僕はここに移り住んだ

あのときから
僕の時間は
もう13年も止まったまま

解説

13年前、日本の社会で生きてゆくことに疲れた私はこの地を選んだ。
それが良かったのかどうか、答えは未だ分からないしもしかすると一生分からないままかもしれない。人間には一つの人生しか与えられてはいない。
だからこそ心が危ないと思った時は逃げるのも一手ではないだろうか。

№004 英霊に感謝

英霊に感謝 2023年8月15日終戦記念日

幸せな者は
感謝しよう

辛いと感じている者は
思い起こそう

昔この国の未来を信じて
命を散らした彼らの事を

今日は八月十五日
終戦記念日

解説

毎年終戦記念日には英霊に捧げる1編の詩を創作しているのだがこれは今年の8月15日のもの。
辛い事を我慢しろと言うのではない。頑張れと言うのでもない。只々感謝しようと言っている。

№005 クメールの夕日に

明日も何とか頑張ろう 夕日に思う

この夕日をまた見る為に

明日も何とか頑張ろう

解説

現在の住居の2階から見える夕日の美しさを謳った詩の一つ。
題名に「クメールの…」と入れたのは、この風景がカンボジアの原風景である広大な湿地帯にたたずむ砂糖椰子を影絵のように浮かび上がらせているからだ。
小乗仏教とヒンドゥー教が同居するこの国の宗教事情は、日本における神仏習合と同じくやはりこの自然環境を目の当たりにすると妙に腑に落ちるところがある。
私はこの夕日をみると何かを誓わずにいられない。

№006 恵み

恵みを感受できる自分でいたい

朝採れの野菜は
大地の恵み

君が作ってくれる朝食は
愛の恵み

解説

大自然の中にあるこの地に暮らしていると、衣食住のあらゆる場面で何かしらからの恵みを感じながら生きる事になる。それは仏陀かもしれないしヒンドゥーの神々かも知れない。

そしてふと思い出す事がある。昔日本で暮らしていた頃私と共にあった家庭も、日々の何気ない事々も恵みだったのではないだろうかと。

カンボジアの中でも僻地に暮らしながらも、ほぼ無収入で小説を中心に、主に料理をテーマとした詩やエッセイなどの創作に没頭しております。 皆様からのサポートは主に端末機器や通信に当てさせて頂きますので、ご支援の程よろしくお願いいたします。