最後の参謀総長 梅津美治郎 (岩井 秀一郎)
(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)
いつもの図書館の新着本リストの中で見つけた本です。
「梅津美治郎」、名前は聞いたことがあるですが、それ以上の知識はありませんでした。
太平洋戦争の継続に懐疑的であった “最後の参謀総長” のこと、ちょっと気になったので手に取ってみました。
梅津美治郎の人となりについては様々紹介されていますが、当時の軍人としては珍しく “親分肌” といったタイプではなく、頭脳明晰で一見親しみ難い印象を与えていたようです。
梅津が関東軍司令官だったころのエピソードです。
そして、この「何かを起こさせなかった」という梅津参謀総長の功績として、戦争最末期における「細菌戦の中止」が紹介されています。
1945年3月、帝国陸海軍では「細菌に感染させたネズミや蚊を潜水艦で運び、アメリカ本土もしくは米軍に占領された島に放つ」という細菌戦(PX作戦)が決行に移されるところでした。
この最後の最後、軍部を中心に戦争に勝利するためには手段を選ばないという風潮のなか、この決断を下す英哲な判断力は並大抵のものではありません。
やはり、最後は「人」です。
大きな歴史の節目に「人」がいるかどうかで、その後の世界は大きく変わります。
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