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このすごい思考術を盗もう! (中島 孝志)

 中島孝志氏の著作を読むのは、「大人の仕事術」に続いて2冊目です。
 本書は、著者の講演の中からの抜粋とのこと、講演ということなので、話し言葉で書かれておりとっつき易い本です。

 思考法・発想法について、著者が薦める具体的な方法が豊富な例をもとに紹介されています。
 そのいくつかを覚えに記しておきます。

 まずは、具体的アクションを考える際の「判断工程の逆流」という方法です。

(p23より引用) (たとえば、「AIDMA」のような)この脳の判断工程を逆流させて、自分の思う方向に誘導させてしまう方法を「バックキャスト・シンキング」とわたしは呼んでいます。

 Actionを検討するには、一つ前のMemoryを強める方法を考えればよいとのアドバイスです。

 次は、有用な情報を収集するための「キーワード・シンキング」

(p56より引用) キーワードを明確に掲げると、情報はどんどん集まってきます。

 キーワードが常に頭にあると、見るもの聞くもの外からの刺激がすべて情報源になるということですし、そのキーワードによるシンボライズによっていつも頭を「検索モード」にしておくことができるというわけです。

 それから、新しいことを思いつく具体的方法としての「スライド・シンキング」
 この本質は、既存のものからの連想ゲームです。

(p88より引用) 考える力を鍛えるとき、大切なことは発想よりも連想じゃないだろうか?わたしはそう考えています。・・・
 ・・・連想というのはすでにあるものをヒントにあれこれアレンジすることですからね。・・・
 会議の意義というのも、1人連想ゲームではなく、チームで連想ゲームをしたほうが、この連想のリレーがダイナミックにできるからにほかなりません。

 優れた発想が完全な形でいきなり思いつくことはほとんどありません。新たなアイデアは、磨かれて使い物になってゆくのです。

(p116より引用) 一つ一つの情報を参考にしたり、こんなふうにすでにモノになっている企画や商品をヒントにすると、スルスルッと閃くでしょ?これを「スライド・シンキング」とわたしは呼んでいます。
 企画というのはこれで完了ということはありません。「これ、いけるかも」と思ったら、あとは肉付けする。・・・
 プラニングからオペレーション作業に移っても、そこでまたいろんなアイデアが出て、どんどん付加価値をつけていくことが大切なんです。

 最後は、「チェックリスト法」
 ブレインストーミング法を考えたアレックス・オズボーンのもうひとつの功績としてこの方法を紹介しています。チェックリストは9つです。

(p128より引用)
①ほかに使い道はないか?(Put to other uses)
②パクれないか?(Adapt)
③変更したらどうか?(Modify)
 たとえば、
 ④大きくしたらどうか?(Magnify)
 逆に、
 ⑤小さくしたらどうか?(Minify)
⑥あれとこれとを入れ替えたらどうか?(Rearrange)
⑦代用できないか?(Substitute)
⑧逆にしたらどうか?(Reverse)
⑨あれとこれとを組み合わせたらどうか?(Combine)

 著者は、自ら「著訳書は170冊超。プロデュースした書籍は500冊超。読書は年間3000冊ペース。」と紹介しています・・・。年間3000冊の読書とはすざましいですね。これはどうも、私のイメージする読書とは定義が違うようです。

 確かに本書のように、役に立つ内容が含まれていてもエッセンスだけに絞れば数ページで済むような本なら、3000冊の読書?も夢ではないかもしれません。


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