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超圧縮 地球生物全史 (ヘンリー・ジー)

(注:本稿は、2023年に初投稿したものの再録です。)

 いつも利用している図書館の新着本リストで目に付いた本です。

 タイトルをひと目見て予約したのですが、長大な時間軸の中からどんなエピソードをピックアップするのかとても興味が湧きますね。

 紹介されている多彩なトピックや解説の中から、特に私の関心を惹いたところをひとつ書き留めておきます。

(p266より引用) 今後数千年のあいだに、ホモ・サピエンスは消滅するだろう。・・・人類の生息域は地球全体だが、人類は積極的に生息に都合の悪い環境をつくってきた。
 人類絶滅の最大の理由は、人口の移り変わりがうまくいかないことだ。人類の人口は今世紀 中にピークを迎え、その後減少へと転じる。・・・
 先史時代、太古のむかしの出来事により、遺伝的な多様性が足りないこと、現在の生息地の喪失による絶滅負債、人間の行動や環境の変化による少子化、より局所的な、小さな集団が直面する、ほかの集団から孤立する問題などが組み合わさり、人類は絶滅するのだ。

 科学的な推論の結果です。想像できる未来ですが、なかなかこう明確に結論づけている論考は珍しいように思います。

 さて、本書ですが、地球誕生から今に至るまでに登場した様々な生物を数多く紹介してくれています。
 ウェイト的にはやはり “動物” がかなりを占めますが、よく見られる本のように大人気の「恐竜中心」に止まっていません。

 広く原初の生命から海綿動物・脊椎動物・その中で、両生類・爬虫類・哺乳類等々についても、今までに聞いたこともないような種族が大量に登場します。スマホで画像検索しながら辿っていったのですが、よく化石だけからここまでの形態や生態を推測できるものだと大いに驚きました。
 生命38億年、その激動の歴史の中では、本当に様々な「命」が生まれていたんですね。

 ちなみに、本書での地球形成の歴史を辿った解説を理解するにあたっては、先に読んだ鎌田浩毅さんの「知っておきたい地球科学」、最後の方のホモ・サピエンスに至る解説については、篠田謙一さんの「人類の起源」がいい予習になりましたね。



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