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夢で逢いましょう (藤田 宜永)

 この本も、今年(注:2011年当時)の目標の「小説食わず嫌い対策」の流れで読んでみた本です。

 「夢で逢いましょう」というタイトルに惹かれて手に取りました。
 主人公は60歳を過ぎた幼馴染み三人組。1960年代から70年代を懐かしむ世代にはフィットするプロットです。
 章のタイトルも、「お笑い三人組」「バイタリス vs MG5」「Oh! モウレツ」「ゲバゲバ」「あの時君は若かった」「ジェットストリーム」・・・と並びます。

 小説ですから、内容の紹介は無しにします。その代わり、この作品で呼び起こされた私の思い出をひとつ書き留めておきます。

 私は主人公たちとは10年ほど下の世代なので、完全にシンクロナイズはしていませんが、共通の記憶として、「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」はインパクトのある番組でしたね。
 始まったのは、私が小学生のころでした。怒涛のように連続して流れるギャグコント。小松方正、宍戸錠、常田富士男、藤村俊二・・・と個性的な男優やコメディアンの面々が登場し、その中で、朝丘雪路、松岡きっこ、キャロライン洋子といった女性タレントの方々がアクセントをつける、最近のバラエティ番組とは作り方や映像の点ではっきりと一線を画すとんでもない番組でした。
 もちろん、圧倒的な存在感だったのは、何の脈絡もなく唐突に差し込まれるハナ肇の「アッと驚くタメゴロー」というキメ台詞。

 こういうナンセンスをカチッと作り込む玄人職人が活躍していた時代でした。



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