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小説「魔法使いのDNA」

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以前、どこかの出版社の賞に応募するために書いたのですが、一次審査にかすりもしなかった小説です。 読み返してみると、案外よく書けてる気がするのでnoteで発表してみようと思いました…
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#音楽小説

小説「魔法使いのDNA」/#021

21  慎太郎  僕の父はもうこの世にはいない。  18年前、僕が10歳の時に病気で死んでしまっ…

小説「魔法使いのDNA」/#020

20  葉子  夢を見た。  ある冬の寒い日、あたしたちは上野公園で大道芸をする少年を見て…

小説「魔法使いのDNA」/#019

19  恭輔  翌週、高円寺のライブハウスでオレたちのバンドのライブがあった。    客席の…

小説「魔法使いのDNA」/#018

18  恭輔  藤岡さんの経営する音楽プロダクションは「ハーツ・ビューティ・ミュージックレ…

小説「魔法使いのDNA」/#013

13  恭輔  瞬く間に秋は過ぎて、冬になると怜からの連絡がなくなった。  オレはいよいよ…

小説「魔法使いのDNA」/#012

12  恭輔  晃さんとライブハウスに行って以来、銀ちゃんの息子の怜がよくオレの家に遊びに…

小説「魔法使いのDNA」/#009

9 慎太郎  土日はほとんどミニバスの練習があった。  家から歩いて数分の距離に僕の通う小学校があり、その小学校の体育館がミニバスの練習場だった。  小3の夏からミニバスをはじめて、3度目の夏だった。最初の年は無我夢中で、ドリブルもシュートも下手くそでとてもバスケをしているといえるような状態じゃなかったけれど、ミニバスの仲間と一緒にいるのが楽しくて、何もつらいことはなかった。  2年目の夏までは父がいて、日曜日には僕のミニバスの練習をよく見にきていた。時々は練習試合もあって

小説「魔法使いのDNA」/#008

8 葉子  運命の出会いから2年、あたしたちは結婚することにした。  プロポーズの言葉はこう…

小説「魔法使いのDNA」/#007

7 慎太郎  父の具合がおかしくなったのは、僕が小学校4年のときのことだった。  毎年、会社…

小説「魔法使いのDNA」/#006

6 恭輔  親父の弟、つまり叔父さんも音楽好きだ。  若い頃はベースを担いで半年くらいジャ…

小説「魔法使いのDNA」/#003

3 恭輔  親父のこと覚えてる?って時々聞かれるんだけど、正直、よくは覚えていない。    …