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白いダリア

明日は母の月命日

花を買いにゆく
仏花ともう一束
ここは輸入の花がいっぱいある
白い百合にしようかな

一束手に取る

しばらく持ち続けてみるものの
やはり戻す

デルフィニウムの白い花にも惹かれてる
赤い鶏頭もある

ふと目に留まるのはダリアだった

「ダリアは長持ちしますか?」
店員さんに聞いてみる
「今の時期は暑いから、一週間持たないかもしれないかもしれないよ」

そう言えば前に買ったトルコ桔梗もすぐに枯れた
「ダリアは今の時期しかないからね」

一人で行くお花屋さんにも慣れてきた

百合は次回でも大丈夫
白いダリアを買い求める

母は珍しい花が好きだった
二人で良く「あれいいね、こっちもいいね」と話しをしながら
花屋の中を回っていた

懐かしい母との会話を思い出す

家に帰って
買って来た花をバケツに入れて水につける
母から学んだこと

本当はまだまだ落ち着いてはいないのに
最近はあまり焦りもなくなった
ええい、なるようになる
そんな気持ちになって来た

少し前まであんなに落ち込んでいたはずなのに
まだ一年半
もう一年半

二男に子供が生まれるからか
二男のところに縁者が出て来るからか

そんなことは分からない
お嫁さんの方かも知れないし
元夫の縁者かも知れないし
わたしには分からない
ただ母ではないことだけは分かっている

道は変わって来ている
そのことだけは分かっている
どんな風に変わるかは分からない

夜になったら仏花と白いダリアと母の好きだった西瓜を飾ろう
今回は種まで食べられるちょっと変わった小玉西瓜を買って来た

それからね、それからね
ちょっと珍しいレモンスカッシュも買って来たからお供えするね
お母さん

白いダリアは気に入って貰えるかな?


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