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がんばらない

むかし伯母が言っていた

「わたしはがんばるという言葉がきらい、がんばるは我を張ることだから」 

そんな言葉がよみがえる

それからわたしも「がんばる」という言葉をなるべく使わないようにする

努力するとか言い替えてみる

伯母は賢い人だった 
けれど相手が悪かった
パートナー
女は男によっていくらでも変わる

今ではそんなことは古い昔話というけれど
そうなのだろうか

伯母は我を張らず
伯父に巻かれた

くるくる巻かれて一文無しに

わたしは伯母を見ていたから自分は絶対に伯母のようにはならないと我を張った
 
それが良いのか悪いのかは
今はわからない
死んでみないとわからない
まだまだ途中、旅の途中
人生という旅の半ば

わたしは必ずあの世に還る時は笑って還ると決めている

母のように「ありがとう」と笑って還る

神様の愛を知り、神の愛に近づくように生きてゆく

伯母の生き方を非難できるのは
わたしではない
伯母には伯母の使命があった

がんばらない生き方を選んでいったのは伯母だから

この世での修行は魂の成長

伯母の魂はどんな成長をしていったのか

伯母は我が身で娘の怪我を受け止めた
それは親の愛
娘が受け取るはずの怪我を受け止めた
と神様に言われている

娘は何にも感じずに
へらへらしていた

その前もその後も

伯母は何回も娘の怪我を受け止めた

そして何にも語らずに
黙ってあの世に還って行った

伯母の娘は
「腹黒い」と伯母のことを言う

でも伯母は本当に腹黒かったのか
誰に言っても分からないと感じたから
何も言わなかったのかもしれない

わたしは伯母ではないから
分からない

今はあの世に還った母と伯母は話しをしているのかな

姉妹で仲良く
「姉ちゃん」「倶子《ともこ》」と

そして腹黒いという意味を母に説明しているかも知れない

何でもしゃべる
おしゃべりな母はわたしに
伯母の本心を教えてくれないかな

いつか夢に出てきて教えて欲しい

がんばらない伯母の思いを



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