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最後の一束

明日は母の月命日
花を買いに行かないと

二日前に朝から神様に会いに行く
いつもならちゃんと起きられるのに
起きられず遅刻

そんな自分が赦せない
日がな一日心のつながりを求める人たちと過ごす

それでも身体はくたびれる
くたびれ過ぎると眠れない

翌日は何もせず家でゴロゴロ

明日こそは月命日の花を買いに行かないと

あぁ、どこで買おう
スーパーかあっちの花屋かこっちの花屋か
帰り道、いつもの花屋に寄る

切り花は一昨日入荷
まさかまさかの仏花がない
えぇ~どうするの?

ふと見ると片隅に仏花が…あった
三束のみ
一束は地味目だが確かに仏花
後の二束は…うぅ~ん派手目だが仏花らしくない

明日は東北の震災から十三年
みんなお供えするのかな

派手目と地味目の仏花をとり
見比べる
やっぱり地味な仏花を選ぶ

私のあとに来たおばさんは派手な仏花を手に取るけれど戻している
気に入らないのかな

仏花のほかにもう一束
ジョギングピンクの八重のストックを求める

母のためと思ったが東北の震災や能登半島の震災で還った人たちへの鎮魂の意味を込め

みんなで明るく過ごして欲しい
彼方の世界で笑顔でいて欲しい

私の小さな祈りが届くといいな


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