見出し画像

もう少しだけ

もしも母が生きていた時に

「また天命庵に行こうね」と言っていたら
母はまだまだ生きていだろうか
希望を持てただろうか
何故、言わなかったのか

また後悔が頭をもたげる

悲しくなる
つらくなる

なさけなくなる私の心
胸が苦しくなる

どう言っても無理だったとしても
やさしい声の一つもかけられなかった
冷たい自分がくやしくて

自分を責める

せめたって仕方ないと思ってもせめる

自分の足の手術をしての
直後のこと
母を思える余裕はなかった

電車でも何でも使って足を引きずってでも一目散に母のもと、どうして戻らなかったのか

時間が経つほど鮮明に
後悔がやってくる

あの時できることをやっていたのかと
自分をせめる

また母の遺影に向かって
泣きながらごめんねと言い続ける私がいる

もしもも
どうしてももない
言い訳にしかならないとわかっている、わかっている

時間は戻らない

そう言えば天命庵の御魂祭の時に

「もう30年以上も前だけど、あの時は母を亡くして悲しくて仕方なかった、長いこと落ち込んだのよ」

「息子を亡くして13年、今でもつらい」
と問わず語りをしてくれる人たち

みんな、辛くてかなしい気持ちを抱えている

時が経ってもつらい気持ちは消えないんだ

私だけではないんだね
だけど、だけど悲しくなる
つらくなる

自分に腹が立つ

本当にもう少しだけ生きて欲しかった

もう少しだけ

もう少しだけ

この記事が参加している募集

よろしければサポートお願いします。