あまんちゃん
父もあまのじゃく、母もあまのじゃく
それじゃあ、わたしはあまのじゃくに決まっている
この間、すずさんに「もっと素直になりなさい」といわれる
すずさんもおやさまの受け売りだけど
はてな?
わたしは十分に素直な人間と自負しているが…
「あんまりかまって欲しくないし、ひとりでいるのが好きなんだ」と答えると
「それって天の邪鬼、わたしもだから分かる、分かる」
そうか、すずさんも天の邪鬼なんだ
「昔、父から『あまんちゃん』って呼ばれていたの、わたし」
あまんちゃん…なんてかわいい呼び名でしょう
すずさんとお父さんは仲良しだったんだね
うちなんか天の邪鬼同士だったから
母を介してしか会話ができなかった
父もわたしも強情っぱりの天の邪鬼
誰に似たの、それは父
かまってもらえるのはうれしいけれど、あまりにかまわれると
ちょっとほっといてと言いたくなる
母もそう、かまい過ぎだった
一人っ子のわたしがかわいくてかわいくて仕方なかった
何でも一所懸命になる、必死になる
父があの世に旅立って
頭の重しが取れたのか
いつの間にか母も天の邪鬼になっていた
自分はかまうくせに
やはり逆にかまわれ過ぎるといやがった
母とは本音で話せるけれど
それでもなかなか本音は言わない
お互い様
やさしくしたいのに出来ないわたし
母は最後には「やさしくしてよ」と言っていたっけ
わたしより素直なひと
喧嘩をしても
謝るのはいつもわたし
心の中で謝っているのに分からないかなぁ…
言いたいことを言い合える
大自然の親神を信じて
同じ方向を向いて生きてきた
やっぱりいないとさみしいよ、かなしいよ、泪がこぼれるよ
あまんちゃんはひとりで今日も泣く
神様に感謝しないと…
孤独じゃない、いつも母は見守ってくれている
そう信じて生きてゆく
魂は永遠だから
わたしには神様の教えがあるから
教えの羽衣を纏っているから
大丈夫
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