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なんだろう

301
自分でも不思議に思う詩のような、エッセイなのか…内容もなんなのでしょうか?と思うような作品です
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2023年2月の記事一覧

うまく歩けない

うまく歩けない

かなしいかな

骨折した足がうまく歩けない

ズルズルと引きずるように歩いている

自分では無意識に

そんな歩き方してたんだ

子供がね、みっともなくわざとやってるみたいだと

腹を立て

きつく言われたんだ

仕方ない

本当のことだから

孤独と孤独の狭間では 

涙すら枯れ果てる

泣いてはいけない、泣いてはいけない

思っても、思っても止まらない涙

母のいない私にはまたかなしみが襲って

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猫が好き

猫が好き

電車に乗っていた時に

横にいる友達の目が点になる

「あの人、すごい猫好きだね」

スマホケースが猫の絵柄

リュックサックも猫模様

「そうだね」

と答えたものの

見るとはなしに観察すると

フリースも地味に小さな猫柄で猫
、猫、猫、猫

靴にまで派手な猫が描かれている

どういうこっちゃ

だいぶ、かなり、そうとう個性的

楽しそうな人を見つけたけれど

清潔感からはちょっと離れる感じか

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何にも出来ない

何にも出来ない

ひどく悲しく気持ちが沈む

どうしたらいいのだろう

ご飯も作れない

掃除も出来ない

洗濯も出来ない

風呂も入りたくない

くたびれ果てて

布団にもぐり込むだけ

何にも出来ない

脱力感が私を襲う

ひどく寝汗をかく

今まではまともではなかったのか

気持ちが高ぶって

疲れも感じなかった

今は本当に何にも出来ない

時々泣く

この変化は一体何

無力な私
無気力な私
つまらない私

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人生どん底

人生どん底

つらい、つらい、死にたくなる

ひとりでいると

どうしても

母がいないさみしさが

胸の底からこみ上げる

三十数年前、祖母に先立たれた祖父が味わった
わびしさやかなしさや無力感がやっと少し分かった気がする

祖父は祖母の亡き後二年、この世から旅立った

自ら命を絶って還っていった

好き勝手をしていたけれど

祖母が一番好きだったと

私には語っていた

家族もしっかり守りつつ

昔話をいっ

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もう少しゆっくりと

もう少しゆっくりと

心学びでご一緒の109歳の方が亡くなった

お昼のご飯を食べ終えて

お茶を飲みながら

みんなに囲まれて

こっくりと

おやさまがお迎えに来られた

とお社さんから聞かされた

109歳は大往生

母とは違う

確かに母も若くない

でもまだまだ生きていて欲しかった

もう少し、もう少しだけゆっくりと

あの世へ戻って欲しかった

心の準備が出来ていない

大慌て

心の底からあわてている

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似てる母娘

似てる母娘

用事があって出掛けた帰り

地下鉄の駅

エレベーターに乗ろうと待つ

振り向くと

そこにはレンタルの車椅子を押した娘さん

乗っているのはお母さん

余りにも似た顔つきで

思わず

「親子さんですよね、似てますね」

と呟くように言っていた

「歳を取ると似てくるんですよね」

と娘さん

ここで来る?

母の恋しい私の前に

心の中でそう叫ぶ

とりあえずニコニコ

母は車椅子が嫌いだった

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待っててくれて

待っててくれて

ずっと放って置かれたのかと思ってた

でも私からの連絡を待っていた

彼女もお母さんを亡くしてから10年

生きていたときよりも

気持ちがつながっているという

生きているときは

身体が離れられた

いまは心を見透かされている

むやみに離れられないと

かなしみの共有ができて良かった

本当はとても優しい友

あまり口には出さない友

嫌なことには触れない友

私は何でも口に出し

人を傷つ

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消えない記憶

消えない記憶

誰かといても

とても孤独だった

一人より孤独だった

なぜでしょう

それは心が通っていないから

昔々に味わった

そんな記憶が顔を出す

包もうとしても

私の力不足でしょうか

拒否されたような

心を閉ざされて

すべてを見せて欲しかった

でも恐ろしくて見せられなかったのか

本当はそんなこと

どうでもいいのに

心と心がすれ違い  

ボタンひとつの掛け違い

小さなことはやがて

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赤毛のアン

赤毛のアン

母はね、若いころから白髪を毛染めしていた

昔々は茶髪、そのうちに黒髪

黒髪はカラスみたいと言っていた

そうしたら、いつの間にかヘナで赤毛になっていた

父がいる頃は

父に染めてもらっていた

そこからは自分で

私の髪もたまに染めてくれた

母は自分のことは自分でやる人

人に手を出されるのは嫌い

私が染めようかと言っても

大丈夫、自分でできる

自立した人

私が丁寧に染めると

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かなしい姉妹

かなしい姉妹

昔々、じいちゃんが言っていた

「あいつには騙されるなよ」

何回も何回も言われた

それでも騙される私

騙すのは従姉

男に貢ぐためにじいちゃんの貯金を勝手に使い果たし

全く罪悪感のない従姉

謝りもせず

ただヘラヘラし続けた

なんの注意も出来ない
謝らない伯父、伯母もどうかと思ったが…

今は姉に突っ込まれた精神病院にいる

帰る場所はない

人に囲まれて
姉よりも多少はましかも

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優しくしてもらって嬉しかった

でも結局お願いなのね

神様のお水を送って…

やっぱりそこなんだ

見返りは求めないではないんだね

下心見え見え

こいつに優しくしておけば…

かなしいね

そんな人間

心学び

心学び

心学びはね

富士山の山登り

どこから登っても

道は違っても

頂上は同じ

ゆきつくところはひとつだよ

憂いのないひと

憂いのないひと

母はね

あっさりした人だった

何でもさっさかやっていく

つよい人

わたしなんか弱い、弱い、弱すぎる

父を見送ったときも

さっさか、さっさか物事を進めた

遺産相続も

散骨も

早すぎないかと思うくらいに

さっさか、さっさか

憂いのない

さっぱりとした人

後ろを振り向かない人

だからか

振りきるように

飛ぶ鳥跡を濁さず

あの世へも還って行った

あっさりし過ぎでしょう

相変わらず、ずっと暗い。

人に触れると

もっと寂しくなるなんて

ひとりの方が良いのだろうか

気力が出ない

何もやる気がしない

どうしたもんか

自分を持て余している

母の存在は偉大