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民泊の体験設計パターンカタログ(β)No.1_ゲストのプライバシーを守るナンバープレートカバー

複業ですがゲストハウス「黒崎BASE」の運営が5年目に差し掛かったので、後進やホストコミュニティ同志のために運営や経営のナレッジを共有し、再現性の高い「より良いゲスト体験」を実現するためのカタログ作っていきたいと思います。

Airbnb Japan Host Community

Airbnb Japan 法人がサポートする全国のホストコミュニティです。FBグループ内では活発にアレコレ議論されていますが、若干やり取りが課題ベースでなかったりTLの特性上、大事な情報流れてしまいやすい構造なのが気になりノウハウをパターンとして蓄積することにしました。

パターン・ランゲージ

初回なので記述フォーマットの説明です。パターン(pattern)はあるテーマについて先人達が実践してきた成功の経験則を特定の形式で可視化し、体系的に言語化する知識記述の手法です。パターンランゲージは(pattern language)はそれによって表現された成果物のことを指します。

小難しく見えますが、ざっくり再現性と連続性のある成功ノウハウを作る型と認識していただければ十分です。

源流は建築家クリストファー・アレグザンダーが住民参加のまちづくりのために提唱した知識記述の方法で。町や建物に繰り返し現れる関係性を「パターン」と呼び、それを「ランゲージ」(言語)として共有する方法を考案しました。今回のカタログは民泊サービスにおける、ゲストのより良い旅の滞在体験について記します。

パターン名と概要 (Title & Overview)

■ゲストのプライバシーを守るナンバープレートカバー
車で訪れるゲストを対象とした、プライバシーの保護および駐車場で起こる偶発的なトラブル防止策および具体例。

イメージ(Image)

パターンのイメージを表す図やイラスト。

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状況(Context)

どんな状況のときに起こる事象か

現在、ゲストの旅行中に県外ナンバー由来の周辺住民や外部ステークによる嫌がらせ行為が多発しています。

仮にゲストの所有する車が故意に傷つけられたり石を投げられた場合は、保証するプロセスが現状は煩雑であり、加えてゲストの滞在体験がいかに良好でも最後の出口でこのような実損を伴う経験をしてしまうと、その地に訪れた体験は最悪な思い出となります。

問題(Problem)

どんな問題か

ゲストの個人情報に関してはホストとのプライベートなやり取りで保証されていますが、ゲストが移動する車のナンバープレートに記載された情報も「個人情報」に一部該当するため、これが露出されていることで滞在中にゲストが認知しない不特定多数の目に触れることになります。

これを要因としてゲスト及びゲストの所有物に危害を加える動機や接点になることが考えられます。

※Airbnbのフォーラムでもある通り、ホストはゲストを守る責任が生じるということを強調しています。

力学(Forces )

影響する力学、問題に比べると抽象的な内容

民泊事業に対する社会的な認識は自治体やコミュニティによって違いますが、地域に住む人の安全を脅かすような事象が起こると容易に周囲の行動は変容し、事業自体や特定の地域からの来訪者を攻撃するバイアスがかかります。(集団心理)

コロナ期間に限らず、明確に悪意を持ってゲストを追跡したり地域差別をする人も常に少なからずいることを忘れてはいけません。

解決(Solution)

どのように解決するか

ゲストのチェックイン時に、駐車場ないし敷地内に車体の前面・後面のナンバープレートを覆い隠すことができるアイテムを設置・装着します。

※国土交通省の規定により「駐車している車」にはナンバープレートの明示義務は課されません

行動(Actions)

問題を解決するための具体的な行動

看板にリスティング名と「PRIVACY」の文字列を表記、もしくは自動車販売のディーラーで扱うような業務用のナンバープレートカバーを取り付け同様に記載します。

DIYでも既存製品でも良いですが、無地の板などで隠すと露骨すぎるのであくまで、滞在者の宿泊先との関連性を示唆し「ゲストのプライバシーを守る」という点を強調します。

例)ナンバープレートカバーの既存アイテム(楽天)
https://item.rakuten.co.jp/carkleid/npcover/

結果(Consequence)

解決した結果起こること

これにより駐車しているゲストの所有車が明示的に民泊を利用している「事実」のみが通行人や近隣住民の目に触れることになるので、必要以上に個人情報が目に入ることはなくなります。

あくまで偶発的な軽犯罪を予防する施策ですので、カバーを、無理やり引き剥がされたりするケース場合は例外し、別のパターンとの組み合わせを推奨します。

関連する対応策

コンテキストと直結しないが間接的に問題に関わるもの

■駐車場利用の規約づくり
駐車場で発生するトラブルに関係する免責事項を設けることで、ゲスト対ホスト間の民間的な規約を設けることで補償問題の一部は解決しますが、厳密なルールを設けることは、ゲストに対するフレンドリーさが失われてしまうだけでなく、外的要因が由来のトラブルの根本的な解決にはなりません。

■防犯カメラなどの併用
明示的なディスプレイとしての防犯カメラ設置と、実質の監視は対応が異なります。特に後者は抑止力とトラブル発生後の対応に非常に役立ちますが、強い敵意をもった人に対してはさらにエスカレートした行動を煽るキッカケにもなるので注意が必要です。

未然の防止策としては、集団警戒網として警察や周辺コミュニティへの相談・協力の取り付ける必要がありますがこの時点で社会的に合理性の各行動なのでイレギュラーとします。

まとめ

パターン・ランゲージは単発ではなく、多くの観点でレビューしその他のパターンへ派生させたり発展させることで真価を発揮します。気になる点や乗っかりたい点があればコメントください。

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