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カンボジアには不動産権利証が4種類ある

今日は不動産屋さんらしく、少し真面目な内容にしたいと思います。
ずばり、「不動産の権利証について」です。

▼カンボジア歴史的背景から見る不動産の権利

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カンボジアでは内戦によって、1975年から1979年の間にすべての土地所有権記録が破棄されました。
このためカンボジア内戦後、土地の所有権を証明することはほとんど不可能でした。
1989年には、土地の私有化のための新しい法律が制定されました。
2001年には土地所有権の発行を可能にするための土地法が制定され、現在でもその法律は継続しています。

現在、首都プノンペン中心部では登記が整備されつつありますが、地方はまだまだ…そんな状況です。

▼日本の制度とカンボジアの制度

■日本の場合
不動産登記
:土地の地積や建物の種類、構造、床面積などの状態や土地、建物の所有者、権利関係を明確にする
- 表題部:義務 / 所在、地番、地目、地積など物理的現況
- 権利部
:任意 / 所有権や抵当権など権利に関する内容
登記簿
:上記の事柄が記録されている紙(現在では法務局にデータ化されている)
土地権利証:正式には登記済証、登記識別情報と呼ばれるもので、所有者=登記名義人と証明するもの
■カンボジアの場合
不動産登記
:土地の境界、区分建物、建物、権利関係を明確にするもの
※カンボジア全土(とくに地方)では未登記の不動産が多数存在する
※首都プノンペンでも完了していない不動産がある
※建物は原則として独立の不動産としては認定されず、土地の構成部
分とされる
権利証:現在4種類ある
- ハードタイトル
- ソフトタイトル
- LMAPタイトル
- STRATAタイトル

▼カンボジア不動産、4種類の権利証ってなに?

ここで、カンボジアで不動産投資をする際重要視しなければいけない4種類の不動産権利証についてまとめてみます。

①ハードタイトル

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- MLMUPC(国土管理都市計画建設省)によって正式に登記した登記簿の記載とほぼ同内容(土地の情報、所有者の情報、物権)を記載した証明書
- 外国人は所有することができない
- 変更登記の際、登記簿内容を変更するのと同時にハードタイトルにも変更の記載をする
- 表面は物件の情報、裏面には所有者や権利の情報
- 不動産の購入者は、売買価格に対して4%の印紙税を支払う義務があるが売り主が支払うのが一般的

ハードタイトルは国レベルで認め、認証した詳細な情報が含まれているため現在1番確かな権利証とされています。
しかし捏造や紛失、記載のミスがあり100%安全とは言いきることはできません。


②ソフトタイトル

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- 国家レベルではなく地方自治体の長(村長さんや地区長さん)が発行する
- 登記されていない土地について占有状態を証明した書類
- 売主、買主間の占有権譲渡契約書を認証した書類
- 外国人は所有することができない
- 役所で比較的かんたんに発行してもらえる
- 不動産の購入者は、売買価格に対して4%の印紙税を支払う義務があるが売り主が支払うのが一般的

地方では実際にこのソフトタイトルで不動産の売買や担保の設定などが行われていますが、トラブルも多いようです。
一つの不動産に対して複数人ソフトタイトルを持っていたり…不安要素も多く争いのもとになっています。

③LMAPタイトル

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- MLMUPC(国土管理都市計画建設省)が発行し、国家レベルで承認している不動産所有権
- ハードタイトルとの主な違いは不動産の境界を決定する正確な GPS 座標が含まれていること
- 外国人は所有することができない
- ハード、ソフトタイトルからLMAPタイトルへ移行する際は4%の印紙税が発生する
- 不動産の購入者は、売買価格に対して4%の印紙税を支払う義務があるが売り主が支払うのが一般的

カンボジアの最新の不動産所有権。
イメージとしてはハードタイトル+GPSという感じです。

最も安全な形かつ境界線は近隣の当事者の間で合意されており、紛争が発生しにくいです。
他の土地のタイトルと比較して、本タイトルの方が価値が高いと思われます。


④STRATAタイトル

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- MLMUPC(国土管理都市計画建設省)が発行し、国家レベルで承認している不動産所有権
- 外国人が区分所有建物の専有部分を完全に所有することができる権利
- 区分所有建物 = 分譲マンション
- 住宅でも商業施設でもよい
- 外国人は区分所有建物全体の100%を所有することはできない(70%まで)
- 外国人は区分所有建物の1階部分を所有することはできない(2階〜OK)
- 不動産の購入者は、売買価格に対して4%の印紙税を支払う義務があるが売り主が支払うのが一般的

ハードタイトルの区分所有建物バージョン。

カンボジアにおける不動産投資の中心がこの区分所有建物=コンドミニアムの売買かと思われます。
基本的に外国人はカンボジアで土地を所有することはできませんので、購入できる不動産は区分所有建物のみということになります。

コンドミニアムなら安心!というわけではなく、このSTRATAタイトルは2010年移行に建設されたコンドミニアムに適用されていますので築年数の古い物件は要注意です。

100%安全な投資は存在しませんが、こういったことを知っておくと予防線になりますね。

たくさんの言葉が出てきて頭がいたいですが(私だけ…?)、日々移り変わる法律や制度、カンボジアの毎日をまたお届けしていきますね。

▼カンボジアで不動産屋さんやっています


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