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【海外幼児教育&保育】子供の感情を育てるとどうなるか

こんにちは!
カナダのカレッジで幼児教育を勉強中のNorikoです。

今回は子供の感情についてです。

私がカナダのカレッジで学んだ幼児教育では小さい子供のうちから自分の感情について学ぶことが大切とされています。ポジティブな感情もネガティブな感情も正しく表現することが求められ、小さな頃から教育の中で取り組まれています。

デイケア(保育所)にも人のさまざまな感情のポスターが貼られていることが多くあり、グループアクティビティなどで感情の名前を覚えることがあります。
カナダの幼児教育ではネガティブな感情を抑えるのではなく正しく表現することを子供たちに学んでもらいます。おしゃべりできなくても顔の表情で感情を表すことができるし、相手に不快だということを伝えることができる。少し言葉を話し始めた子供には言葉を使って相手に伝えるということを学んでもらいます。

北米では「察する」「間を読む」などは通用しません。そういう文化がないからです。なので言葉か表情で相手に伝えないと理解してもらえません。

自身で感情表現ができると自立心や自主性を伸ばすことができます。

例えば、悲しい感情を正しく表現し助けを求めることができる、自分が怒った時の感情を受け止め他者もされて嫌なことがあること理解できる、楽しいこと嬉しいことを他者と分かち合うことで喜びが倍になることを知る、他者の表情を読み共感力を身につけることができる、などです。
感情を理解することで行動に移す、これが最大の目的です。

また共感力が高いというのは子供にも大人にもとても大切な能力です。共感力が高いと他人と感情を共有する喜びを知ることができます。悲しいときに誰かに話を聞いてもらえると悲しみが少し軽くなったり、嬉しいことがあったときに分かち合える人がいると嬉しさが倍増したりして人生の深みが増し、そうやって社会との関わりを感じ健全な人間関係を築いて成長していくことができます。

どうやって子供と感情を学ぶかというと、まずは小さい子供には感情の名前を覚えてもらい、感情と感情の名前を一致させることから始めます。そして自分が感じる感情は他者が感じる感情であることを理解する。カナダの保育所や幼稚園、低学年のクラスルームなどにはThe Zone of Regulation(ゾーンオブレギュレーション)という感情を4色に分けたポスターが子供目線の壁に貼られていることが多いです。レギュレーションとはセルフレギュレーション=自己制御のことで、感情や行動を自分でコントロールする能力のことです。

青、緑、黄色、赤の4色には感情の名前が振り分けられています。

青「痛い、悲しい、落ち込んだ、疲れた、病んだ、つまらない、疲れ果てた、恥ずかしい」

緑「良い、落ち着いた、ありがたい、誇り、感謝、嬉しい、聞き上手、学ぶ準備ができている、集中、リラックス、幸福」

黄「興奮状態、イライラした、緊張、不安、心配、おちゃらけた、うっとしい、圧倒された状態、恐怖感、嫉妬、動揺、居心地が悪い、混乱した、恥をかいた」

赤「意地悪な、怒った、頭にきた、攻撃的な、怯えた、制御不可な」

という感情に振り分けられています。
子供が泣いたり怒っている時にポスターのところへ行き、感情を共感したり、子供と一緒に感情の名前を覚えたり、小さい子供には「今はどのゾーンにいる?」と聞いたりします。もし赤のゾーンにいるときはどうすれば、緑のゾーンに戻れるかを一緒に考えたり子供に選択肢を提案したりします。

自己制御は子供にとってとっても大切な能力です。色々な感情を正しい方法で表現するには練習が必要なので、日々の中で大人が気づいた時に感情を言葉にして共感することで子供と一緒に学ぶことができます。

小さい頃から感情を学ぶと他者の気持ちを理解することができ共感力が自然と身につくことができるのでぜひ日々の生活の中で色々な感情を言葉にし家族で共有してみてください。

まだまだカナダのカレッジで学んだことをシェアーできたら嬉しいです。引き続き応援よろしくお願いします。

参照
Welcome. THE ZONES OF REGULATION: A SOCIAL EMOTIONAL LEARNING PATHWAY TO REGULATION. (n.d.). Retrieved April 28, 2023, from https://www.zonesofregulation.com/index.html

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