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ぎっくり腰やめまいに気をつけて

私は、漢方薬店で漢方カウンセラーをしているので、毎日いろいろな症状の診断と投薬をしています。

「今年の冬は特に注意が必要!!」と併設する薬膳スクールでもいつも話していたのですが、このところ予想通りの傾向に…。

いま、気をつけておかないと、来年がちょっとしんどくなってしまいます。

特に、40代後半から50代の方…。

私もですけどね(笑)

冬にバランスを崩しやすい「腎」というシステム

中医学(中国伝統医学)でいう内臓は、西洋医学でいう実在する臓器ではなく「お仕事」や「システム」と考えます。

私たちは自然界で生きているので、それぞれの季節の影響を受けるのです。

衣替えやお布団を替えるように、食べ物や内臓のケアも季節によって替えるべきなんです。

冬になると、自然界に「寒(かん)」という寒い気が増えます。

その気はただそこにあるだけですが、体に影響を与えたときに「寒邪(かんじゃ)」という邪気になります。

寒邪の特徴は、ギュッと縮むこと。

引きつりや痛みを生じることが多いです。

そのことについて、産経新聞の連載「薬膳のススメ」で書いているので、お時間があったらこちらも読んで下さいね。

http://norihime.livedoor.biz/archives/52848864.html

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その寒邪が苦手な内臓がいます。

それが、「腎」というシステム。

寒くなって寒邪が狙ってくると、腎は大きくバランスを崩してしまいます…。

これは、毎年のことなのですが、特に今年は気をつけなければいけないんです!!

元気で過ごすために整えておくべき「腎」

なぜ今年は特に気をつけなければいけないのかは、あとでお話するとして…

まずは、腎がどういうものかをお伝えします。

腎の仕事は、5つあります。

五臓の働き

薬膳手帳の8ページにも書いています。


(1)生命活動の原動力

生殖、発育、成長を司っていて、人が生きていくためにもっとも必要とするパワーです。

生まれたときに両親からもらったパワーを使って成長し、大人になってからは食べたものと呼吸で補充していきます。

つまり、両親からもらったパワーは、40代にもなればなくなります…。

だからこそ、メンテナンスが必要なんです。


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(2)水分代謝のバランスを維持する

水は2つのシステムが循環させていて、上では肺が下では腎が担当しています。

腎は降りてきた水のオーディションをして、きれいなものを再利用して、不要なものを尿に変化させて体外に排泄します。


(3)呼吸を奥まで引き込む

呼吸は肺でしていますが、吸った息を体の奥深くまで引き込む仕事をしています。

これができなくなると、呼吸が苦しくなります。


(4)脳に栄養を届ける

腎で作った髄を骨を通って脳に届けます。

脳のことを「髄海」と言うのですが、腎から髄が届かなければ満たされません…。

脳が健全であるために、腎が元気でないといけないのです。


(5)すべての臓腑の両親

他の内臓たちは、困ったらすぐに腎のお部屋に行きます。

そして、足りないものを腎からもらうのです。

内臓たちにとって、腎はお父さんやお母さんのようなもの…。

親がこけると子がこける…となるのです。


その腎、来年はちょっと大変…

毎年冬になると腎のバランスが乱れるのですが、今年はちょっと大変なんです!!

というのも、中医学でみる来年の年運は「水運不及(すいうんふきゅう)」。

水の運気が低迷するという年巡りです。

五行の水にあたる内臓は、腎。

つまり、腎が弱りやすいということ。

この来年というのは、旧暦の二十四節気で見るので、2021年2月3日の立春からはじまる年です。

冬は、立冬の11月7日から立春の前日まで。

通常なら、寒い冬が終わって春がやってくるよ~!!という立春なのに、来年は低空飛行のまま1年間を過ごすことになります…。

先程の腎のお仕事5つができなくなる可能性があるのです。


いま、このような症状が出ていたら要注意!

◎膝や腰が冷えてだるい

◎1日の尿回数が10回以上、尿もれ

◎寝ているときに尿意で目が覚める

◎36度以下の低体温

◎他の人よりかなり寒がり

◎ホルモンバランスの乱れ

◎不妊、婦人科疾患、EDなどの生殖トラブル

◎下半身の著しいむくみ

◎記憶力の低下

◎体調不良が続いている

◎耳の聞こえが悪い

◎歯や骨が弱い


こんな病気にも…

腎は膝腰、骨(歯)、二陰(尿道口や外生殖器の前陰と肛門の後陰)、耳、髪の毛に症状を出して「気をつけて!!」とサインを送ってくれます。

最近多い前庭神経炎によるめまいやぎっくり腰も、腎が関係している可能性が高いです。

めまいについてはいろいろな原因があるので、まずは病院で脳の異常でないことを確認しましょう。

点滴や病院のお薬も有効ですが、漢方薬もかなり早く効きます。

しっかり診断できる漢方医や漢方カウンセラーに相談して下さいね。


腎が喜ぶ「補腎」の食べもの

腎を元気にすることを「補腎」と言います。

「黒いもの」が多いです。

冬は寒くて暗いので、五行の色は黒なんです。覚えやすいですよね。

黒米、黒豆、黒木耳(きくらげ)、ムール貝など。

芋類なら、なんといっても山芋。

野菜なら、枝豆、カリフラワー、ブロッコリー、黄ニラ、キャベツ、ごぼう、ニラなど。

ブルーベリー、栗、カシューナッツ、クルミ、松の実、蓮の実なども。

クルミは脳を健やかにする作用も!脳の形に似ていますよね。

魚介類なら、あわび、いくら、うなぎ、えび、うに、干し貝柱、かつお、さざえ、かつお、ししゃも、すっぽん、たい、たちうお、なまこ、帆立貝、まながつお、ムール貝。

特にエビは足腰を強くします。

加熱すると腰がくるっと曲がるので、腰がまがるまで元気でいられますように…という思いでお節料理にも使われますよね。

マナガツオも足腰関節の痛みやだるさや筋肉の衰えにおすすめです。

最近の私のお気に入りは、エビとムール貝が入っているブイヤベース。

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いつもお世話になっているビストロ・レクレ・神戸さんでいただいたのですが、この日のメインはメジロ。

メジロ(ブリ)は、胃腸を整えながら気血と潤いを作るので、気力体力ともにお疲れ気味の方にピッタリ。

腎をご機嫌にするために

食べものだけでなく、腎をご機嫌にする方法があります。

◎しっかり寝る(早寝遅起き)

◎無理をせず休む

◎脳を使いすぎない

◎足腰と3首(手首・足首・首)を冷やさない

◎お風呂では湯船に浸かる

◎恐れの感情を持たない

◎冷たい飲み物(特にアルコール)を飲みすぎない

◎よく噛んで食事をする


いかがでしたでしょうか?

私たちが生きていくための底力となる腎。

悲鳴を挙げないように、しっかりケアをしてあげましょうね。


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