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宇宙と調和して生きる虫たちに学ぶ ~地球暦(2)

地球沸騰時代などといわれる、2024年の酷暑。
まだまだ暑さは続いているけれど、しばし南洋の島へ旅しているうちに今年の立秋は過ぎた。
ずいぶん日が短くなって、夜には秋の虫の声が聞こえる。

啓蟄や汝らなぜに暦知る

…というのは、いつかの春に詠んだ駄句だけど(笑)。
旧暦の「節気」を知っているかのような虫たちの不思議をいっそう強く感じるのはむしろ秋の入り口、ちょうど今頃だ。聞こえてくる声の変化によって、虫ワールドの動向がより明らかに分かる。

思えば暦とは空を見上げて、太陽や月の動きを観察することで編み出されたものだ。
宇宙の動きなのだから、ベースには人間の恣意が入る余地はない。
であれば、虫たちが我々とは異なる感覚でもってその不動の法則を感じ取っている、つまり「暦を知っている」としても、何ら不思議ではない気もする。

暑いから夏なのではなく、寒いから冬なのでもない。
北半球であれば、昼間が最も長い夏至の日(黄経90度)が陽の極み=夏の頂点であり、そこから地球が公転軌道をさらに45度廻れば立秋。
まだ暑かろうが、秋が始まるのだ。

様々な要因が絡む気候とは違い、日の長さは太陽と地球の位置関係だけで決まる。
秋の虫たちはきっと、夜が充分に長くなるその日を指折り数え、満を持して鳴き始めるのだろう。
出て来たものの、思いがけぬ暑さで命を落とす者もあるかもしれない。少し心配だ。

友人からもらった「地球暦」を眺めながら、今日はそんなことを考えた。
A1サイズの太陽系が、身近な季節感からさらに一歩踏み出して「宇宙との調和」を意識させてくれるのがなんとも面白い。

明日は黄経150度「処暑」。
暑さが落ち着くころとされるが、どうなるか…前述のように、気温は太陽の高度だけでは決まらないからね。
今しばらくは暑さに耐えつつ、次の季節に向けて身体を整え始める時期というところか。

ちなみに昨日は、旧暦文月の満月。
月の満ち欠けも意識し始めると興味深いのだけど、その話はまた別の機会に。


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