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I SURVIVED the Great Molasses Flood, 1919 (#19)

全世界数十億人のタドラーのみなさま、ごきげんよう。
2021年11月現在、全21冊を抱える”I SURVIVED”シリーズ。コツコツ読破して19冊目までやって来ました(洋書はKindleで読むと決めていて、何故かNot Availableの#17を除く)。なかなか感慨深いものがあるのぉ。


はいどうも~
もう残りの方が少ない感じやね~

はいどうも~謎の天の声~
そうやの。ようやっとここまで参りました。

ちなみに今回、見たことも聞いたこともない単語がタイトルに。

Molasses

表紙はなんだか、白馬に乗ったお姫さま風?!
モノクロなんでようわからんな…一体どんな災害?事故?なのか、早速いつものあらすじに突入してみたいと思います。

おもろいやつ期待しとるで~
(^皿^)

むぐ。(゜-゜)






うちはCarmen Grasso, 12歳。4年前Papaと一緒に、南イタリアの小さな村からここ、ボストンに移住してきたの。
南イタリアだと農業か漁業しか仕事ないし(Papaは農夫)、うちが2歳のときにおっきい地震があってから、さらにさびれちゃって。このときの津波で、Papaとうちは助かったけど、Mamaが帰って来なかった。



「アメリカに行って、一から新しい生活を始めるぞ!」
って、Papaは言ってたけど…

おかねもちじゃないかもだけど、自然いっぱいのあの村の方がよかったな…
やさしい大好きなおばあちゃんもいるし。
だって今うちらの住んでるNorth Endは、ゴミゴミしててせまっくるしいし暗いし、汚いんだ。そーいや港の先っちょに、どっかの会社が建てたでっかいタンクがあってさ。そん中にMolasses、糖蜜200万ガロン(750万リットル?!)をためてんだって…
で、タンクから糖蜜がもれてるのを、この辺の子どもらはみんな知ってて。おなじアパートの上に住むTonyと、よくあそびにいってた。
ちなみにこの子の家族もうちらとおなじ、イタリア移民。めっちゃ大家族なんだよね。


今日も、算数のテストの点数がよくなかったって落ち込むTonyを元気づけたくて、来てみた。

「んんん~~~~うめぇ~~~~~」
もれてくる糖蜜を指ですくってなめた瞬間、一発で機嫌が直るTony。なんておめでたい奴。
うちはあんま好きじゃないから、Papaが仕事で飼ってる牝馬、Rosieへのおみやげってことで、ちょこっと失敬することにした。そのとき。


ぐわんぐわんぐわん…


「何の音?」
「わかんない」

こわくなったうちら、タンクから速攻で逃げて帰ったアパートで。




Tonyのお母さん、Mrs. Grassoが泣きながらうちらを出迎えた。
「Carmen, ごめんね、Papaが…重病なの」




ボストンで流行り始めていた新しいflu, スペイン風邪が、Papaを連れていってしまった。それはもう、いとも簡単に。
あの津波にも負けず、2歳のうちを守ってくれたPapaが。


うちは、たったひとりで生きていかなくちゃいけなくなった。
このアメリカで…



…なんだけど、とりあえずは、Grasso一家にお世話になることに。
Papaとふたりだけだった暮らしとは正反対の、騒がしい毎日がはじまる。


さすがにお世話になりっぱなしは気まずくって、その日の朝、なんかお手伝いしようと思ってキッチンへ向かったら、話し声が。Mr. GrassoとMrs. Grassがしゃべってるっぽい。

「…Carmenにはいつ知らせるの?」

「長い航海だからなぁ…イタリアは全然違う土地だし」

は?イタリア??

「まぁでも、Carmenとおばあちゃんは一緒に暮らした方がいいだろうよ」

え…

も、もしかして…

この人たち、うちを、イタリアへ返すつもりだ!


やだ、そんなの絶対やだ!

はじめはこんなゴミゴミしててせまくて暗くて汚いとこきらい!!って思ってたけど、学校たのしいし、TonyとかGrasso一家ともなかよくなれて、やっと”自分の居場所”ができたって思ったのに…

まだイタリアにいるおばあちゃんはだいすきだけど…けど…



気づいたらRosieにまたがって、むちゃくちゃに走ってた。



ぐちゃぐちゃな気持ちが、ちょっとずつ、おちついていく。

疲れ果ててRosieから降りて公園のベンチで、ちょっと目をつむっただけだったのに…



目を覚ますと、ベンチでお弁当たべてる人がちらほら。
おひる!もうそんな時間?!

やっばい!みんな心配してる!やりすぎた!



…ていうか、Rosieはどこ??姿がみえない。

ちゃんと手綱をむすんでおかなかったことを盛大に後悔した。
彼女がいないと、どこへも帰れない。


…ちょい待ち。
Rosieがいきそうなところに心あたりがある。




Molassesのタンクでひたすら、糖蜜をなめてる牝馬が1頭。

「…みつけた」
もう本当に、安心のあまり泣きそうになった。

「Carmen!!」

そして探しにきてくれたTonyの声が耳に届いたそのとき。



バンバンバンバンバン!!!!!



!!!!!






(゚д゚)!
このシリーズを記事に纏めてきて、最長のあらすじなんではないか…

は、はは…そうですね。つい先日、読み終えたばっかりというのもあるのかも。

ちなみにこの巻、珍しく「人災」を扱ったものらしい。
物語が終わったあと、著者による解説が入るのだがそれによれば、Molassesをためてたタンク、相当に工事が杜撰だったそうな。
まぁそうですよね、Molassesが漏れ出て来るくらいだから…


ふむ。
1919年って年を考えても、タイタニック号が思い出されるな…
納期に間に合わせるための突貫工事とか、人命救助のためのボートが全くもって足りてなかったとか、複数の要因が絡み合った結果の…




最後に、中華系マレー女子先生のWhatsAppグループで毎回投稿している、英語のレビューを残しておく。

My Review; ★★★★☆ (4 stars)
- What I like
1) I didn't know this disaster, but the story didn't allow to stop turning pages.
2) Spain flu ata that era was also discrebed (sadly papa of the main character passed away). It reminds me of the current pandemic.
- What I Dislike
1) Nothing in particular

事故そのものよりは、スペイン風邪であっけなく亡くなってしまったPapaに思いを馳せておる。こういう御時世であるからして。


過去から学べることは、たくさんある。




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