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Birthday Musics Today (2020/1/5)

おはようございます。1月5日(日)の朝がやって来ました。今日がお正月休み最後という方も多いでしょうね。貴重なお時間を割いてくださってありがとうございます。

この一文を、時々冒頭で書かせていただきますね!
 ↓
“毎日、その日誕生日を迎えた音楽家やミュージシャンを動画と一緒に紹介しています。選んでいるのは、あくまで私のアンテナに引っかかった人たちであり、網羅的に古今東西すべてを集めているわけではありません。個人的に、クラシックとロック、ブラックミュージックへの関心が高いのと、青春期を過ごした70年代の歌謡曲やアメリカントップ40なんかに偏りがあると思いますので、その辺りは笑ってお許しいただきたく…”

はい、というわけで今日も“Birthday Musics Today”始めます。

まず1曲目は、ウィルバート・ハリソンで“Let's Stick Together”まずはお聴きください。

★ウィルバート・ハリソン(Wilbert Harrison, 1929.1.5 - 1994.10.26)”Let's Stick Together”

この曲は、後にブライアン・フェリーが、ソロのカバーアルバムで採り上げたことで、多くのロックファンも知るところとなりました。

Bryan Ferry - Let's Stick Together

“別れるのやめようよ”という未練の歌なので、時期的に、ミック・ジャガーに走っちゃったジェリー・ホールとの別離に重ねているのかも知れないですね。事実は分からないですが…

音楽がちょっとグラムロック系に寄ったところで、次はマリリン・マンソンです。こんな出で立ちながら(TVショーなんで超マトモな方w)、本質的に内省的なミュージシャンでして、コロンバイン事件のとばっちりにも淡々と冷静に分析しながら受け答えをしていたのが印象に残っています。

オリジナル曲だと、初めての人にとっては刺激が強いかもなので(^^;、今日はユーリズミックスのカバー"Sweet Dreams "をお聴きください。

★マリリン・マンソン(Marilyn Manson, 1969.1.5 - )"Sweet Dreams (Acoustic) live"

1月5日は、クラシック界にとっては、奇跡的な特異日とも言える日でもあります。ミケランジェリ、ポリーニ、ブレンデルという現代のピアノ界における3巨星が何と、今日同じ誕生日なんですね!

まずは、ミケランジェリから…

アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ、名前からしてカッコいいですが、とにかく透徹した美音の求道者です。イタリア人ですが、“ラテン系”では決してありません。あまりにもこだわりが強いので、ピアノも必ず自分のものを空輸で運ばせます。その上、“超”のつく気難しい人でもあるので、キャンセルの常習犯。何度か来日もしていますが、まともに開催されたコンサートは数えるほど。80年代には国内のプロモーターが怒って、彼のスタンウェイを差し押さえるという“事件”まで起こっています。

★アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ(Arturo Benedetti Michelangeli, 1920.1.5 - 1995.6.12)誕生。"ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 op.73"

いわゆる「皇帝」と呼ばれる曲ですね。彼はドビュッシーなんかも絶妙なんですが、今日は3人ともベートーヴェンの協奏曲でまとめてみようかなと思います。

指揮者はジュリーニですが、最初の企画ではクライバーの予定だったのだとか。気難しい同士で到底うまく行かなかったとみえて、レコーディングは実現しなかったようですね。ファンとしては残念至極ですが…

アルフレート・ブレンデルも、よく偏屈だとか理屈っぽいとか言われますが、私に言わせると彼の演奏は、常に“知的なアプローチ”と感じています。モーツァルトのピアノ協奏曲全集をたくさんのアーティストで聴きましたが、ブレンデルの演奏が頭抜けて面白いです。オーストリア人ですが、生まれはモラヴィアなんですね。

★アルフレート・ブレンデル(Alfred Brendel, 1931.1.5 - )“ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第3番ハ短調 op.37”

アバドと合わせた割と近年の演奏のようですが、音楽の瑞々しさは素晴らしいですね。曲が終わりに向かう時に、スピードを上げて行く、彼の独特のリズム感が実に爽快で、本当に大好きです。

マウリツィオ・ポリーニは、1960年のショパンコンクールで、18歳で優勝。“彼よりうまく弾ける人間がこの中にいるかね?” と審査委員長のルビンシュタインが言ったのだとか。

★マウリツィオ・ポリーニ(Maurizio Pollini, 1942.1.5 - )“ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 op.73”

ミケランジェリと同じ「皇帝」です。ショパンコンクール当時の演奏でしょうか? こちらも合わせているのはアバドで、お互いの若々しさがこの曲をスポーティーなイメージに変えています。ミケランジェリ/ジュリーニの泰然自若な演奏と聴き比べると面白いですね。若々しさだけでなく、ポリーニ独特の気高さが音楽に品格を加えています。

ポリーニの本当の凄さは、そのキャリア戦略です。18歳での栄冠、きらめく未来、そこに渦巻く大人たちの思惑。もてはやされ、天狗になって、有頂天で我を忘れて… と彼はならなかった。その後ほぼ10年に渡って表舞台から姿を消すのです。

そう、彼もイタリア人ですが、“ラテン系”ではありません。クラシックの人にそもそも“ラテン系”はあまりいないかな…(^^;

山ごもりという訳でもないのでしょうが、まだ自分に足りないものを見つめ、この時間にさらに自己研鑽を積んだといいます。

そして、再デビューに近い形で、ピアノ史に残るこの演奏がリリースされました。

ストラヴィンスキー:「ペトルーシュカ」からの3楽章

唖然とするような超名演、圧倒的です。その後も彼は、ライブ・コンサートでは必ず1曲は現代曲をプログラムに入れることを自分に課しているということです。

最後に、メトネルをご紹介します。ニコライ・メトネル、ドイツ系ロシア人作曲家・ピアニストです。

★メトネル(Nikolai Karlovich Medtner, 1880.1.5 - 1951.11.13)“ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.50”

作曲家自身のピアノによる演奏です。ちょっとラフマニノフを連想しませんか?

実は彼はラフマニノフの生涯に渡る友人で、この曲はラフマニノフに献呈されているのです。逆にラフマニノフの第4協奏曲は、メトネルに献呈されているという間柄なのです。

メトネルは、まだまだ過小評価されていると思うんですよね。小品は時々演奏されることがありますが、こういった大きな曲も演奏会で、もっと採り上げられるようになるといいなと思います。

では、今日はアンコールピースとして、メトネルの“6つのおとぎ話 op.51”より、儚くも可憐な第2曲を聴きながらお別れしましょう。

ではまた明日、どんな音楽に出会えるでしょうか? 楽しみですね!




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