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採用面談に履歴書がいらない理由

「大西さん、履歴書見ないで採用面談なんて、どうやるんですか」って本当によく聞かれます。

今はもう最終面談も私が担当するのは限られた部門だけというものの、私が担当する面談は一次だろうと最終だろうと履歴書見てなくて、ときどき人事役員にコラされてまして…w

ゆえに私が直轄で見てる広報部門のメンバーは業界や職種の未経験者がほとんど、年齢も経歴もばっらばらなんですが、2か月前に入社したばっかりの広報ルーキーが書いてくれたウォンテッドリー記事にたいそう大きな反響いただいてます。

2か月前、人事役員から「広報どころか事務もほとんど経験ない若手で履歴書が…、こういう時は大西さんかと」って相談された時、
多忙を極めてて私との面会枠は役員用の22時以降しかどこも空いてなくて「乙女と22時に面談するわけには」って断ろうとしたら「それでも会いたい」と。

向かい合った彼女はちょっぴりお疲れモードだったけど、意思が強い目でまっすぐ未来と自分の成長を見つめてて、飾らない自分の言葉で語れて、眩しいポテンシャルしかないエネルギーを放ってたので、なんで転職したいのか不思議で尋ねたら耳を疑う返事でした。

「どんなに私ができない奴なのか、どれだけ性格が悪いか、私のことが気に食わないか、毎日上司から叱られます。リリースだってコラムだって、snsも、私なんかにできるわけない、一人前になるのにどれだけかかることかって馬鹿にされます。

大西社長は元広報のプロだって聞きました。私は広報になれる人間じゃないのでしょうか。どこが悪いか、教えてもらえないでしょうか」

「私いろいろ笑いにしちゃう関西人だから念のため聞くけど、今のジョークじゃないよね?ジョークでもアカン一線はるかに超えちゃってるけど、お相手、本気でそんなこと言ってるの?」

「はい、それに対して説明したくても口答えするなとも」
「・・・・・・(令和だよね今?)」

正直なところ私のスケジュールがぱつぱつなうえに、いつくか大きなプロジェクトを予定してて作りたかった広報チームは違うイメージだったのだけど、数秒考えて、

「質問に答えると、広報はスキルや知識や経験なんかいらんっていうのが私の持論。
ただし広報にはひとつだけ絶対に必要な資質があると思ってて、あなたにはそれがある。その資質をフル発揮できる環境にいないだけ」

「本当に、私なんかに広報になれる資質があるんですか」

「あるよ。断言できるね。もしうちに来たら1年で私が広報時代に出した成果を抜ける。まだ歴代の広報、誰にも抜かれてない記録だけど抜ける。

私、人の見立てはほとんど間違わない。本気で望むならがっつり鍛えるし」

「本当に、私なんかに社長が教えてくれるんでしょうか」

「教えるじゃなくて、鍛えるって言ったw広報なら言葉は正確に聞いてよね。
あと私と一緒に仕事するなら「私なんか」って言葉は金輪際、だめ。禁止。自己卑下な謙遜なんかいらんから、1年で私の記録なんか抜いてやるって闘志でおいで。その覚悟があればだけど」

私の言葉にかぶせるように即答した彼女はすぐ転職してきて人事たちをびっくりさせてたのだけど、それ以上に、入社ほやほやの彼女に大事な、大きなイベントまるっと全部任せると言った私に皆で大わらわ。

「大西さん、私そういうのやったことが…」「誰だって初めての瞬間があるねえ」

「でもでも、もし失敗したら…」「しないでしょ」
「なんで断言できるんですかー」「しないって決めてるから」

「は?!」「大丈夫大丈夫、とにかく何があっても大勢に影響ないから、やっちゃえ日産!」「日産…」

そこから本当にがむしゃらに頑張ってくれて、ひたむきで真摯な仕事姿勢や成長意欲と、
何より、私が広報には絶対に必要だと考える資質【愛する力】を爆発的に発揮しまくって、周りからたくさんのサポートを受け愛されて、

イベントを大成功させてくれただけじゃなく、リリースにコラムにsns、取材対応までベテラン広報を凌駕する活躍っぷり。

人の肌の細胞は1カ月くらいで入れ替わると言われますが、入社2カ月で目に漲る自信や軽やかな強さはもはや別人みたいで、この調子だと私の記録を抜いてくれるのに1年もいらない。頼もしい限りです。

こんな風に人って、過去にどこで何をどれだけやってきたか、教わったり身につけてきたかだけじゃ測りきれない、今と未来に花開く可能性や希望、まだ見ぬ才や魅力が詰まった宝石箱そのもの。

太宰治センセが「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」って言ってましたが、

自分の宝石箱をあけて思う存分、自分を華やかに彩り羽ばたかせるために、

心配や教育、外聞、よくわからない方針やルールとか、たぶん全部が自己保身のための大義名分のもと先回りして羽をもいでくるような存在からは全力で遠ざかること、

一定のそういう存在からは嫌われる勇気をもつこと、そのことに罪悪感をもたないこと、そんな人生へのささやかな革命と、

自分の潜在力を自分が一番、愛し愛でるという生涯の大恋愛を始めるのは早ければ早いほどいいんじゃないか。
そう、十分に年とった私は思います。

だから履歴書は見る必要ない、という言い訳でしたw
(人事の皆さまいつも本当にごめんちゃい、こんなへんてこ経営者を許して)

常に選択は選んだものを正しくするのが、ベストな鉄則
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