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日本は貧しくなったのではなく「もとに戻った」

【姥捨】
日本は、100年前までは「貧しい地域」だった。「姥捨」という高齢者の口減らしの「自殺」があったくらいだ。長い日本の歴史に「老後」はなかった。ほとんどの人がそうなる前に死ぬのが普通だったからだ。地図を見れば、少々大きいとはいえ、アジアの北東の外れ・海を渡らなければ交易もできない「辺境」である。ここにシルクロードなどの交易拠点ができるわけもない。

【高度経済成長期はラッキーだった】
数千年の歴史で見ると、日本という地域の「平和で豊かなくらし」は、20年以上前までのほんの短い期間であった。「高度経済成長期」というのは、そういうものだった。

冷戦の時代にも、日本は戦争の最前線にいなかった。韓国、台湾、中国、ロシアというように東西国境の間近な地域から離れ、背後の「物資供給基地」として栄えた。そういう時代が70年以上続いた。多くの今生きている日本人は、だから「戦争で命を失うかもしれない」という危機感もない。

平和な時間が、日本人の寿命を延ばした。その寿命以上の長きの間、平和は続いた。「危機感」が忘れられた、幸せな日本という地域の時代は、日本人の平均的な一生の長さ以上に続いた。

【世界にやってきたパンデミック】
そこに「世界的なパンデミック」がやってきた。危機への備えもなく、心構えもない「日本人」にそれが降りかかった。

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