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身近な「脱炭素」

【なにかと言われる「SDG's」】
最近は日本でもSDG'sが叫ばれていて、政府主導のみならず、民間でも「盛り上がってきた」感じがある。普通のフリーランサー、普通のアルバイト、普通の会社員、であっても、なにかと「脱炭素に貢献せよ」と言われることも少なからず増えてきた。特にコンビニやスーパーでの買い物袋の有料提供は、批判も多かったものの、とりあえず「当たり前」のことになってきた。

そこで今回は「買って良かったもの」ではなく、ある観点から「買ったらいけないかも知れないもの」として、ワイヤレス充電器について書こうと思う。

【「脱炭素警察」の次のターゲット?】
ということで、コロナの感染防止には「マスク警察」なんてのも出てきたりしたのだが、我々のようなIT系「引きこもり仕事」をする人間としても「こんなことをしています」と言うのに最適なのが「脱・ワイヤレス充電」である。これからの「SDG's警察」のターゲットは「ワイヤレス充電」になるかも知れない、と思っている。便利なものには必ずその代わりに犠牲にしているものがあるものだ。そこで、ワイヤレス充電について見てみよう。

【ワイヤレス充電と有線充電の「エネルギー損失」比較】
これはあちこちのWebなどを見て、大まかな数値を調べたものだが、ACコンセントから入ってくる電力のうち、有線充電ではそのエネルギーの約20%ほどが無駄に「熱」になる。あとの80%のエネルギーが充電される。一方、ワイヤレス充電では、エネルギー損失が約40%。これは熱になる。あとの60%のエネルギーをスマホなどに充電している。しかも、これらの「損失ぶん」は、直接大気中に熱となって放出されるものがほとんどだ。「脱炭素」「地球温暖化阻止」であれば、まずは身近なワイヤレス充電をやめたほうが良い、という結論になる。

【ワイヤレス充電はエネルギー効率が悪い】
有線充電と比較すると、ワイヤレス充電はエネルギー効率が悪い。これは、空中を電気が通っていくのと、直接電線でつなげるのとの違いだが、感覚的に言っても当たり前、といえば当たり前なことではある。そして、1つ1つはエネルギー損失は少ないとしても、チリも積もれば山となる、わけで、一人がワイヤレス充電をやめると、世界中でどれほどのエネルギー損失が防げるのか?と想像できるだろう。

【2021年末までに10億台】
なんと、ワイヤレス充電ができるスマホ等の機器は、2021年末までに、世界で10億台を突破するというニュースが目についた。この通りだとして、その半分のスマホなどの機器で実際にワイヤレス充電が行われるとして、2022年には5億台のスマホなどがワイヤレス充電になり、そこで使われるエネルギーの40%が熱になって地球温暖化に貢献してしまうのだ。しかも直接に、だ。これは地球上に生きる我々の誰もが逃れられない、と言われているSDG's推進をする身として「脅威」ではないだろうか?

【物事は多面的に見よう】
とは言うものの、ワイヤレス充電は便利だ。ちよっと外出、というときは充電器の上に置いたスマホをちょこっとポケットに入れてすぐに外出。帰ったら、すぐにまた充電器に置くだけ。この利便性があるために、行動のロス時間を減らせるとすると、そこでの消費エネルギー節約と、有線・無線の充電のエネルギー損失比較は、どちらが大きいか?小さいか?こういうことも見なければならない。ことは単純ではないのだ。

【太陽電池とかレジ袋は「それだけ」ではない】
たとえば、やっと最近は言われる様になってきたが、太陽電池はエコである、とは言うのだが、電気には「送電の損失(による熱の大気中への発散)」や、ソーラーパネルの設備を作るためのエネルギーやその種類(工場でのソーラーパネル製造はどのくらいのエネルギーを使うのか?・部品や製品の運搬はトラックなどを使うのではないのか?)また、10年ほどでソーラーパネルの寿命が尽きたとき、それを廃棄するときに使われるエネルギーや有害物質による環境汚染、その環境汚染を抑えるための装置などの費用や使うエネルギーなども考えなければならない。この前のコンビニのレジ袋有料化でも、今度はコロナの感染防止の立場から言うと、いつも新しいレジ袋を使ったほうが良いとか、様々な議論がある。同様に、ワイヤレス充電も、ワイヤレス充電だけを見るのではなく、使われる素材のプラスチックの原料や成形にかかるエネルギーや電子部品などの製造やそれが耐用年数を過ぎたときの廃棄、などなど、様々なファクターがある。簡単ではない。

【一見、難しくないことも難しい世の中】
今の世の中は誰もが見えないところでガッチリとつながっている。しかも地球上の地域を超えて、だ。だから、見えないものも知って、想像できるちからを持つこと。それがSDG's推進、脱炭素には欠かせない「人の行動の元」となる必要がある。

それぞれが自分の立場で、自分の頭で考え、答えを出し、行動することが必要な世の中に、ますますなってきた、といえるだろう。

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