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いま使っているスマートウォッチは

この記事は、スマートウォッチに関する、自分なりの現時点での選択のことについて書く。極めて個人的なものだ、というお断りが最初に必要なもので、自分以外の人に同じことが当てはまるとは限らないので、まずそれが大前提だ。

【結局これにしました(しています)】
前回の記事では、スマートウォッチに関する自分の事情なども交えて、スマートウォッチの業界のこと、現状の製品とそれ以前の製品のことなどについて書いてみた。結論から先に言うと、現状、使っているのは、Xiaomi Mi Watchだ。定期的に自動で測れる機能はないものの、自分にとっての必須機能である「パルスオキシメーター機能」がある。常時の心拍測定ができる。いずれの機能の精度もかなり高い。そして価格は1万円台前半。ここ数ヶ月でこんなに安くなった。しかも、普段使いのスマートフォンはAndroidなので、これで使える(もちろんiOSでも使える)。この価格なら、たとえば1年使ってそこで壊れても、次のを買おうか、という気にもなる。毎月に直せば千円ちょっと、という計算ができるからだ。機能だけではなく、外観もあまり安っぽい感じがしない。セラミックでできている、という感じのする合成樹脂の外観だが、安っぽい感じもない。そして、手につけているのを忘れるくらい軽い。そして頑丈で傷がつきにくい。防水、防塵は当たり前。電池は充電せず1週間は持つ。

【腕時計というものの社会的立ち位置】
もっとも、いわゆる「ウォッチ(腕時計)」には、昔から時計機能だけではない、別の「存在意義」があった。よく言えば「社会的ステータスを伝えるもの」、単純にざっくりと、かつミもフタもなく直接的かつあからさまに言い換えてしまえば「お金もちの見栄張りアイテム」である。宝飾ギンギラギンのいかにも高そうな「スイス製腕時計」。誰もが知る金色輝く「ロレックス」。落ち着いた雰囲気のある職人の手作り感を極めたような「パテック・フィリップ」。などなど、まだまだあるが、名前を聞けば一定以上の年齢の日本人には、バブル日本の思い出が走馬灯のように蘇る、という方も多いだろう。が、あいにく私は日本のバブル時代はITの技術者であって、そういうものとは円が、いや違った、縁が無かったので、未だに腕時計といえばまず「機能」から入るのだが。まぁ、いまとなっては「そんな時代もありました」的な、つまりそういう時代の記憶のどこかに「腕時計」というモノの意味が置かれていた時代があったのだ。あの時代は会社勤めの独身女性でも、100万円ほどのロレックスを腕に輝かせていた。今は昔の話ですけどね。

【そしてAppleはやっぱりデザインだが】
いまの時代、ハイテクといえば、GAFAMだ。世界を股にかけた「無国籍企業」っぽいその佇まいが国や地域という単位で区切られていたインターネット以前の時代とは違う雰囲気がある。こんな時代にGAFAMの「A」の「Apple製品」はハイテクの象徴のように言われている。実際、その製品の洗練されたデザインが大好き、という人は多い。デザインを無理するあまり、コロナ禍の現在でも最新機種には指紋認証が無い、というところを差し引いても、まだまだ人気がある。もちろん、20年来業界の中にいる自分としては「かつてはトップだった時期もあったんだけどね」くらいな感じで見ているわけではあるのだが、やはり万人向け製品デザインと売り方はやはりたいしたものだ、と言わざるを得ない。それは同社のスマートウォッチを見ても、それは言える。そして、値段は高い。機能だけ見れば、高く感じる、ということだが。

【スマートウォッチで始まった「激震」】
しかし、この半年でスマートウォッチはかなり進化した。驚くなかれ、AppleWatchと同じかそれ以上のスペックと精度のスマートウォッチは、ほぼ同機能のAppleWatchの半額以下、という時代に急激に変わった。機能だけでなく、デザインも「これ、いいじゃない」と言わせるものが安価で手に入る様になった。今や、5万円のじゃなくて、5千円のスマートウォッチで十分満足、という時代に変わったのだ。ほぼ半年で、そういう時代になった。そうなると、5千円のスマートウォッチはそれで十分、飽きた頃に充電式電池がヘタってきて、測定の精度も落ちる。その頃にはもっと機能もデザインも良いものに買い換えればいい、という、そんな時代に変わった。古いスマートウォッチは、リサイクル業者に回して、都市鉱山の産物として回収してもらうわけだ。「高いもの」が必ずしも良いものではない。安いものを使い回すのも生活の知恵、という時代になった。高い価格の腕時計は、時代遅れの象徴、と見る人も増えた。見栄的にもそれではよろしくない。「おまえ、SDGsって知らないだろ」みたいにJR大船駅前の某ピンクのモバイルショップの前などで絡まれるなどの事態も回避できる(←いきなりローカルな話でスマン)。

【いま、スマートウォッチで見栄は張れない】
ということで、スマートウォッチでは見栄は張れない時代に、あっという間になった。機能とデザインで張り合う友達とzoom飲み会で見せ合うことくらいはあるかも知れない。Youtubeで比較動画を上げる人も増えた。メーカーから数千円のプロモーション用製品の提供を受けてレビューで褒めちぎるYouTuberも増えた。いま、スマートウォッチは「ガジェット(ちょっと気の利いた小物)」と呼ばれる。そんなものになった。それ以上ではなくなった。


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