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「人間とは何か」を問うAI

【もの作りの崩壊の始まり】
ダイハツの「不正」。前には三菱もあった。建設では「姉歯事件」の名前も思い出す人も多いだろう。おそらく、日本の製造業や、建設・土木業などの「モノを作る」現場のあちこちで同じことが始まっているのだろう、と想像させる。

【製品検査は人間がやってはいけない?】
この「(出来上がった)モノの検査」もまた、今は人間がやっている。結果として、「騙される人間」がモノを作ると、こういう不正が行われる「穴」ができる。であれば、モノを作るのは人間でも、検査は機械にやらせるしかなくなる。人のやることの正確さなどに対する緊張感がないことを前提にすると、人ではなくシステムを頼る、という方向に向かわざるを得ない。

【人間の組織から緊張感が失われる】
人間の組織で人間が人間らしいところを排除しなければならない、という「不文律」で、人間の組織はこれまで機能してきた。人はロボットのように組織人として働くことが必要とされてきた。製品の検査の結果としての「文書」は、モノそのものではなく、モノの「写像」であるにも関わらず、信頼されてきた。「人がロボットのような働きをする」という緊張感が共有されていたからだ。しかし、それに信頼が置けない、というのは人の組織がロボットなどのように正確に動かなくなった、ということでもある。

【検査も製造も管理も経営も】
いっそのこと「検査」は全てITでやり、その結果はコンピュータで管理者に届く、ということにすると、人間の不正の入り込む余地がなくなる。管理者=経営者の不正が問題になるのであれば、それも近い将来には人工知能が行うことができる。

【政治もシステム化したら?】
政治もまた、裏金問題などで揺れている。であれば、お金を全て電子マネーにして、それ以外はお金として認めない、ということにすると、裏金は作れなくなる。これもIT化で実現できる。そもそも、政治家という「代議員」も「大人数の直接選挙」がITで可能になった現代において「間接民主制」そのものが必要あるのか?という話もある。

【人は生産活動から排除される未来】
IT化というのは、曖昧で自堕落でうそつきなところを持つ「人」という存在を、こうやって社会から消し去っていくだろう。そのITの根底には人間社会に入ってきた黒船たる「デジタル技術」がある。「便利な道具」として多くの場所でデジタル技術が入り込むということは、そういう社会を目指す、ということになる。

【人間とは何か?が、問われる時代に】
であれば「人間はなんのために生きているのか?」という「原点」に、帰ってくる。いま、人間社会が直面している問題の本質は、ここにある。それは哲学の問題だ。

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