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14. リーダー人材を育成する

■Keynote

リーダーの育成はトップの使命であり、私の最優先課題は人づくりだと考えています。  By 磯崎功典 (キリン株式会社 代表取締役社長)

■Point

リーダー育成には時間がかかる。だからこそ早期に着手し育成することが肝心だ。
しかし、若手にいきなりリーダーシップから取り組ませるのは難度が高いかもしれない。そこで3つのステップ(パートナーシップ→フォロワーシップ→リーダーシップ)を踏むことを示したい。

パートナーシップとは、一緒に仕事をする仲間と、信頼感に基づく、対等な関係を築くことであり、キーワードは「信頼」と「対等」である。これは仕事上の協働関係における中核概念であり、新人を含むすべての社員に求められるものである。仮にパートナーシップが築けていない中で上位からリーダーシップを発揮しても空回りしてしまう。

次の段階はフォロワーシップだ。(下図)ヨコ軸の貢献的活動と、タテ軸の批判的活動により5分類される。フォロワーというと、上司のご機嫌ばかり伺っている嫌な人のイメージがあるかもしれない。そうではなく、右上の模範的フォロワー(誠実な貢献と建設的な批判)へと育成していきたい。とかく日本企業には、右下の盲従型フォロワーが多い。自分では考えず、指示されたことにはコミットするタイプだ。このタイプからいかにして主体的、建設的な批判(意見・議論)ができるように育てていくか、が課題となる。

なおリーダーシップの源泉は4つあると言われている。①権限・評価権、②専門性の高さ、③信念、一貫性、④人間的魅力の4つである。①と②はフォロワーにとって受け入れることに合理的な面があるタイプであり、③と④はエモーショナルな面があるタイプである。特に④は「あの人についていきたい」「この人は信頼できる」と思わせる、【醸し出す】ものであり、一朝一夕には培えない。

リーダー育成はキャリア上の経験を中心に頭での理解(研修)で知識や体験を補うことで培われるものだ。(ロミンガーの法則※下段Let’s Think参照)①研修後、どのような仕事をしてもらうか(経験:配属)、②誰のものでそれをしてもらうか(薫陶:上司との関係)、③どの程度ストレッチした負荷を与えるか(修羅場経験)とセットで捉えてリーダー育成体系を設計、運用することが大切だ。

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■Let's Think!

ロミンガーの法則では、リーダー育成に有益な3要素は
【経験70%】、【薫陶20%】、【研修10%】と言われている。
リーダー候補を選抜し育成するときに、どのような経験をさせ、どのような薫陶と受けさせ、どのような研修を施すのが良いだろうか?



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