グリード

4 スターウォーズは自己顕示欲に効く

それは酷い人形だった。SF映画の金字塔、輝かしいシリーズ一作目、アカデミー特殊効果賞受賞、スターウォーズの一場面だ。不意打ちで撃たれ倒されるエイリアン。光線銃が当たった胸が爆発するカットだ。その瞬間だけ、俳優が着込んだ着ぐるみではなくて爆破専用の人形にすり替わる。普通の速度で再生していたらわからない。でもコマ送りで観るとわかる。爆発する人形の完成度が低すぎるのだ。着ぐるみに比べて細すぎる顔。中に針金を入れて曲げたようにしか見えない指無に理矢理持たされている銃。賑やかな酒場のはずなのにその一瞬だけ背景が真っ暗で誰もいなくなる。だから本当の本当に一瞬しか見せない、見せられない。

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2020年9月現在、13本26000文字の記事があります。スターウォーズの面白さというよりも映画の見方を書いています。どんな映画からもより沢山の知見を得る方法が身につくマガジンです。

〜それでも、スターウォーズになんか興味ないよ。というあなたへ〜 ひとつの映画を長く観続けることで、見方が深くなります。 見方が深くなれば…

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