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人生に効く!スターウォーズ

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〜それでも、スターウォーズになんか興味ないよ。というあなたへ〜 ひとつの映画を長く観続けることで、見方が深くなります。 見方が深くなれば、深い知見が得られ、人生が豊かになります… もっと読む
2020年9月現在、13本26000文字の記事があります。スターウォーズの面白さというよりも映画の… もっと詳しく
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記事一覧

1 スターウォーズは結婚に効く

「君とスターウォーズが観たいんだ!」 スターウォーズの新作が公開された2002年のこと、当時は洋画の日米同時公開が珍しく日本での公開はアメリカ公開から2ヶ月遅れだった。よかったのか悪かったのが、ちょうどその間に新婚旅行でアメリカに行くことになっていた。日本公開前のスターウォーズをアメリカで鑑賞するチャンス! 僕はSFに全く興味のない妻に、恐る恐るサンフランシスコでのスターウォーズ鑑賞を提案した。 僕は自他共に認めるスターウォーズ信者だ。ファン・マニア・オタクじゃなくって信

2 スターウォーズは遊びに効く

モンスターチェスをやってみたい。最初のスター・ウォーズ『エピソード4・新たなる希望』はのどかな映画だ。正確には波瀾万丈のストーリーの中にのどかな場面を紛れ込ませている。それが緊張と緩和のリズムを作り、スター・ウォーズを安心して楽しめる映画にしている。

3 スターウォーズはファッションに効く

シンプルな柔道着のような服の上に丈の長いローブを羽織りフードを被る。スター・ウォーズに出てくる代表的なファッションの一つ。共和国を守護するジェダイ騎士団の衣装だ。しかしこれは元々ジェダイのためにデザインされたものではなかった。

4 スターウォーズは自己顕示欲に効く

それは酷い人形だった。SF映画の金字塔、輝かしいシリーズ一作目、アカデミー特殊効果賞受賞、スターウォーズの一場面だ。不意打ちで撃たれ倒されるエイリアン。光線銃が当たった胸が爆発するカットだ。その瞬間だけ、俳優が着込んだ着ぐるみではなくて爆破専用の人形にすり替わる。普通の速度で再生していたらわからない。でもコマ送りで観るとわかる。爆発する人形の完成度が低すぎるのだ。着ぐるみに比べて細すぎる顔。中に針金を入れて曲げたようにしか見えない指無に理矢理持たされている銃。賑やかな酒場のは

5 スターウォーズは恋愛に効く

有名な映画評論家O氏は言った。「ルーカスは恋愛がわかっていないのよ」僕は激怒した。O氏はジョージ・ルーカスをわかっていない。ルーカスが企んだスターウォーズの壮大な仕掛けをわかっていないのだ。

6 スターウォーズはナンパに効く

もし君が10歳の可憐な少年だったら、主人の手伝いをしている店に入ってきたティーンの美少女に声をかけてみよう。「君は天使なの?」 美少女はビックリする。そこにたたみかけよう。「伝説の月に住んでる天使かと思った」 美少女は君の服装を見て逆に聞いてくる。「あなたは奴隷なの?」 そうしたらすかさずキレよう。「僕は人間!名前はアナキンだ!!」 キレたどさくさで名前も名乗れる。そうすると美少女も謝罪して名乗ってくれる。「ごめんなさい。私はパドメ」 これでつかみはバッチリだ。最初の歯の浮く

7 スターウォーズはビジネスに効く

あの子もスター・ウォーズ、あの子も、あの子もスター・ウォーズ! 僕は感動していた。シリーズ10年ぶりの新作映画『エピソード7・フォースの覚醒』が公開され大ヒットした翌年、スター・ウォーズが盛り上がっていた時期だ。僕はPTA会長として毎朝校門で子どもたちに「おはよう」の挨拶をしていた。仕事に直行する日はそれなりの服装だけど、週2回くらいの仕事に直行しない日はたいがいスター・ウォーズ関係の服を着ていた。春秋はストームトルーパーのパーカー、夏はヨーダやドロイドのTシャツ、冬はダース

8 スターウォーズは友情に効く

誰にも期待されていなかったスターウォーズの1作目。大ヒットするなんてことを監督のジョージ・ルーカスを含めて予想している人はいなかった。映画関係者が集まる試写での評判も最悪。でもただひとりだけスターウォーズの試写を観た直後に「これはヒットするよ」とルーカスに声をかけた男がいた。その男の名前はスティーブン・スピルバーグ。学生時代のルーカスの短編フィルムを観て「自分よりも天才がいる!」と驚愕したスピルバーグ。天才は天才を知るというのはこのことだろう。

9 スターウォーズは上司に効く

スター・ウォーズの世界には、善の存在、正義の味方として描かれている集団がある。それがジェダイ騎士団だ。彼らは銀河系で民主主義を体現する銀河共和国のために働く。そのなかで上司にあたるのがジェダイマスターと呼ばれる師匠のジェダイたちだ。彼らは共和国の安寧を守るために東奔西走もするし、後進の育成もする。弟子は師匠について行動を共にするうちにジェダイの奥義や目的を学び、立派な騎士になる。しかし、ジェダイ騎士団、そしてその中で上司にあたるジェダイマスターたちが本当に善なる集団なのか、僕

10 スターウォーズは生涯学習に効く

人生の最晩年、老衰間際の2年間で大きく成長した人物がいる。その名はヨーダ。緑色の小さなおじいちゃんだ。彼は880歳から900歳の20年で大きく成長した。人間で言うと平均寿命を遙かに超えた超高齢者になってからの2年でだ。ヨーダは共和国を守護する誉れ高き騎士団の長だった。手を触れずに物を動かしたり、人を操ったり、未来を予言できる超自然的な力をあやつり、銀河の平和を守っていた……はずだった。しかしヨーダは失敗する。悪の陰謀によってズルズルと戦争に引き込まれ、その結果大敗した。騎士団

11 スターウォーズは許しに効く

銀河を救ったのは、武器の力でも魔法の力でもなく、ただの許しの心だった。 「父には、まだ善人の心が残っています」 銀河を救ったのは、軍事指導者でも強い騎士でもなく英雄でもない、ただのひとりの息子だった。 映画史上最大最強の悪役は、息子の許しによって救われた。これが銀河の戦争を題材にした『ジョージ・ルーカスのスターウォーズ』6部作の結論です。

2−1 スターウォーズは戦争防止に効く

スターウォーズは戦争の話だ。だけれどもずっと同じように戦争を描いているわけではない。スターウォーズの戦争表現は最初の3部作と次の3部作で大きく変わっている。スターウォーズの戦争を紐解くことで、近代戦争の一部を理解できる。

2−2 スターウォーズは国難に効く

「自由は死んだわ。万雷の拍手の中で」 "So this is how liberty dies, with thunderous applause. " スターウォーズの物語前半のクライマックス、独裁政治が始まった瞬間のヒロインのつぶやきだ。この独裁政治は、極めて「民主的」な手続きで始まった。いち地方議員が共和国の議長になり、国家の危機という緊急事態を理由に自身の権限を強める。