販売だけでつながりは創れない
売った後からが勝負
●新規客は、既存顧客への営業と比べて5倍もの販売コストがかかると言われています。もれバケツ理論は、バケツにいくら水を注いでも、バケツの穴からそれより多くの水が漏れ出ていれば永遠に水は貯まらないと言います。
●今では誰もが、商売は売った時点ではなく、売った後に既存客との関係を深めていくところが大事だと知っています。
たとえば自動車販売店の話です。車は売った後からがほんとうの営業で、できる営業マンは顧客の元にひんぱんに通って車のメンテを世話したり、ときには家の前で洗車の手伝いをしたりするそうです。それで信頼を深めて知り合いを紹介してもらって顧客を広げていくそうです。まさに売った後からが勝負です。
●ある専門家は「プロダクトからつながりへと価値の出どころが変わってきた」と書いています(「価値の出どころ」…かっこいいけど、使ってる人の自己満足っぽいなあ)
買う人のことを「顧客」、使う人のことを「ユーザー」と区別して、これからはユーザー視点でいこう、みたいな本もあります。
●とにかく企業は、まずユーザーの活動をよく知って、その中で企業が関われる、助けられる場面を積極的につくるということが求められています。しかも関わる場面でユーザーの期待を上回ることが必要で、しょぼい手助けならユーザーから「要りません」と断られておしまいです。
●こうしたユーザーとの関係性を「つながり」と呼びます。この「つながり」くらい、作るのが難しく、失うのが易しいものもありません。
●近ごろ人気の定期購入(サブスクリプション)モデルですが、運営している会社多くが顧客の解約に悩んでいます。毎月販売している顧客でさえ、そのつながりはもろいものです。
販売目的だけのコミュニケーションになっていないか
ぼくがこの記事で書きたかったのはこの1点です。
メルマガや告知メール、ダイレクトメール、セミナーなどの目的が販売だけになってしまうと、 顧客はこちらを売り手としての認識を深めます。すると「あなた売りたい人・わたし買う人」の関係が固定化しますから、顧客とのつながりはいつまでたってもできないでしょう。
どんなプロジェクトもデザイナーが中心になっていってほしいにこう書きました。
「お客さまは、実際にサービスを受けたり商品を利用するとき、利用した後に感じる利用体験、ユーザーエクスペリエンス (UX)の満足不満足によって、サービス提供者への評価や態度を決めます。」
UX(顧客体験)の向上とは、どうしたらユーザーに喜んでもらえるか、役に立てるかをひたすら考えて探して、その回答を具体化することです。
ユーザー(顧客と呼んでもいいです)とのつながりは、UXを上げ続けることで作れるもので、それ以外の道はありません。営業目的のコミュニケーションは顧客との関係構築ではなくて、古い営業スタイルをネットに乗せただけのものです。
コンテンツが作れない
ふつうの会社にとってUX向上のためにさまざまなトライ&エラーを繰り返してユーザーのインサイトを探り当てるなんていう芸当はどこか遠い国の出来事です。そしてそれはすぐれたUXデザイナーにしかできない専門スキルです。
たしかにFacebookやTwitter、Instagramなどで発信をする会社は多いですが、それで多くのユーザーとつながりを強め、それが販売にしっかりつながっていると実感できている会社はどれだけあるでしょうか。
コンテンツの寿命の短さも問題です。Twitterコンテンツの寿命の半分は3時間以内で消え、Facebookの場合すべてのビューの75%が5時間以内に消費されるそうです。そもそもコンテンツがユーザーのためでなく、新規の見込み客だけを狙っていたり、ひどいときには社内の上司のために作られているんじゃないかというものをたまに見かけます。
担当者のいちばん多い悩みは書くことがないことじゃないでしょうか。顧客や見込み客のほしい情報をあげ続けられたらいいんですが、そんなネタは1か月もあれば出し切ってしまいます。
それに加えてエンタメ性まで求められるわけですから、コンテンツ担当者の苦労はお察しします。
商品PRが多くなる事情はよく分かります。
ではDXを上げ続け、ユーザーとのつながりを強くするために、どんな解決法があるでしょうか?
それが「教育化」コンテンツの発信です。
この続きは「ビジネスを教育化するということ」に書きます。
以上です。お読みいただきありがとうございました!
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