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「シュタイナー農法、有機食材、電動自転車...」 ECG グット・プラクティクス20選(11) C3: 従業員の環境行動促進

本シリーズでは、ECG(公共善エコノミー)グット・プラクティクスに選ばれている20優良企業・団体を、公共善マトリックスの20項目に沿って、1社づつ紹介。

11社(団体)目は、北ドイツで果実ジュースを製造販売するVoelkel GmbH (フェルケル有限会社)。従業員の環境行動を促進する包括的な取り組みを行っている。

C3: 従業員の環境行動促進

Voelkel GmbH (フェルケル有限会社)は、1920年代に設立された老舗企業。当時の若者のワンダーフォーゲル運動により、北ドイツの田舎で自然と調和した自給自足の生活を求めて設立された共同体を起源とする。自然の実りがない厳しい冬場を経済的に乗り切るためにジュースという保存食品の生産を開始した。現在の経営者は4代目。設立当初から、ルドルフ・シュタイナーのバイオダイナミック農法による原料の生産とその哲学の実践を、企業の内部から地域、消費者へ広げる活動をしてきた。現在、従業員300人を抱える企業に成長し、過疎地域の重要な経済基盤になっている。地域の有機農業の生産者と密な関係を結び、文化景観である「Streuobstwiese(高木の果樹がまだらに生えた粗放的管理の生物多様な牧草地)」の維持に献身している。
従業員の環境に関する意識は、求人募集プロセスのときから求められる。新規従業員にはDemeter有機認証に関する研修が提供され、関連する専門資料にも全員が自由にアクセスできるようになっている。社内では、従業員は100%有機農産物の食事を取ることができ、またプライベートでも、地域の有機農産物を特定の店で10%割引で購入することができる。交通が不便な田舎なので自家用車通勤が多いが、自転車に乗り換えるように、E-Bike(電動補助付き自転車)リースの仲介も行っている。バイオガス燃料車への燃料補助や、電気自動車の充電ステーション設置も行っている。

https://web.ecogood.org/media/filer_public/bc/c0/bcc041d5-3bc2-4e7a-8d2e-3896554bda6e/2021-04-07-good-practices-web.pdf

https://voelkeljuice.de

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世界35カ国、3000以上の企業・団体が参加するECG(公共善エコノミー)運動の主要ツールは「公共善決算」。横軸に人間社会の基本価値4つと縦軸に5つのステークホルダーからなる「公共善マトリックス」で、企業や団体の倫理的・社会的・エコロジカルな経営をホリスティックに評価する。SDGs17目標もすべて含む「公共善決算」を行う企業・公益団体、自治体、教育機関は、世界的な草の根ボトムアップ運動の先導役。

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シリーズ一覧はこちら:

https://note.com/noriaki_ikeda/m/m13ff063cc3f9


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