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第1回:利益を出すということ


〜これから長く経営していこうとする経営者の方へ〜


〈利益とは雲を掴むようなもの?〉

こんにちわ。
有限会社タクト経営研究室の中西です。

さっそくですが、「利益」と聞いて皆さんは、何を思い浮かべるでしょうか?

おそらく以下のような計算式を思い浮かべる方がほとんどではないでしょうか?

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利益= 収入 ー 費用
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利益とは、収入(事業活動による資産増加)から、
費用(事業活動に伴う支出)を差し引いたものなので、
この考え方は間違いではないのですが、
この計算式にある「費用」が実は厄介だったりします。


「費用」が厄介な理由①

決算書は会計の原則に基づいて費用計上されますが、
一部、経営者の意思で処理方法が選べるものがあります。

例えば減価償却の処理方法は、「定額法」と「定率法」を選べます。

ちなみに減価償却とは、一定以上の高額なものを購入したときに、
その費用を何年かに分けて経費にしていくことをいいます。

「定率法」とは、ざっくり言うと、
購入した最初の年度にたくさん減価償却費を計上し、
年々逓減していく処理方法です。
一方で「定額法」は、毎年同じ額を費用に計上するため、
計算が容易で資金計画も立てやすいといえます。


費用が厄介な理由②

費用には、支払いはしているけれども今期の経費にはできないものもあります。
例えば、上記のような減価償却や、在庫などあります。
仕入をしてお金を払っているが、まだ売れていないものは、
経費として参入できません。
売れた時に初めて、経費として認められます。

このように利益は、「社長が想像している利益」と
違った動きをすることがあるのです。
これが「雲を掴む」ように、
掴んでいるけど、実態がないといった感覚です。


〈 利益0に 〜節税思考〜 〉


ここからは「利益」と「節税」の関係について考えてみましょう。

節税として「利益を抑える」というのは、よくある話です。

例えば期末に利益が出ているとき
「税金で30%持っていかれるのなら 期末でいっぱい買って
利益をゼロにしちゃえ〜」といった、
税金を減らすためにキャッシュも減らすというケースです。

もちろん、全て悪いわけではなく、ケースバイケースでしょう。

買ったものが、来期の営業活動で必要なもの(投資)なら「あり」です。

逆にそれが無駄遣い(浪費)であれば、
ただ単にキャッシュが減るだけなので「なし」、
好ましくない行動と言えるでしょう。


〈適正な利益を出し 〜内部留保を貯める〜 〉

ここからは「利益」と「内部留保」について考えてみましょう。

内部留保とは、企業が生み出した利益から税金や配当など
社外流出分を差し引いたお金で、会社に蓄積されたものを指します。

「3年後までに◯◯したいから、今期はこれくらい貯める」という、
計画性のある貯蓄です。

未来を見据えている経営者の方はこのように考えていることが多いです。

実際に私はそういった経営者の方と話しをすることがあるのですが、
「強い意思」を持たれている方が多いなと感じています。

税金は事業を運営するための「必要経費」だという認識です。

確かに30%持っていかれるのは、キツい…

ただ、未来のために、会社を存続させるためには、必要なことと腹を括っている。そんな感じでしょうか。


〈一つ言えること〉

節税の仕方にもよりますが、
場合によって節税は「キャッシュの減少」 を伴います。

税金は減るけれども、キャッシュも減る。

そのキャッシュ、本来は将来に使うために残しておかないといけないものなのに、使ってしまって大丈夫でしょうか。

結局、補填するために銀行から借りて、
返済額を増やしてしまう経営者の方をたくさん見てきました。

当たり前ですが、借りてきたお金なので、金利がつきます。

果たして節税するのが本当に得なのか、一度考えてみる必要がありそうです。


〈内部留保を貯めた未来〉

想像してみてください。

今、目の前に絶好の投資機会があります。
直感的に「この事業をすればある程度の利益が見込める!」
そう思えるものです。

皆さんだったら、どのような行動をするでしょうか?

ここでは、上記で解説した「節税」と「内部留保」をもとに、
経営者A・Bの行動を想像してみましょう。


経営者A:節税をしてキャッシュが減少してしまっている経営者
経営者B:税金は必要経費だと考え内部留保を貯めた経営者


経営者A:「今まで節税しまくってきたので、手元にお金がない。
       でもこの機会を逃したくない。大きく借金して勝負するか。」

経営者B:「今まで税金を払ってでも貯めてきたお金。
       少しの融資でいけそうだし、失敗しても大きな痛手はなさそうだ。」

さて、どちらの考えで投資したいでしょうか。
また、心に余裕があるのは、どちらの経営者の方でしょうか。


〈銀行員さんは利益よりもキャッシュの動きに敏感?〉

私は北摂の金融機関(地方銀行、信用金庫)の行員さんと
仕事柄話す機会が多いのですが、

皆さん「キャッシュを持っているところに貸したい」
と、口を揃えておっしゃります。

大谷翔平選手くらい速い直球ですよね・笑。

でもこれが本音であり、リアルな声です。

銀行さんは、確実に返ってくる会社に貸したいというのが本音です。

つまり、キャッシュが残る経営をすることが重要となってくるのです。


〈どちらの未来を選びますか?〉

「節税しまくる未来」 「内部留保を潤沢に貯める未来」
皆さんはどちらの経営者になりたいでしょうか。
それは「経営者の意思で選ぶことができます」

良い未来に向かって邁進していきましょう!


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