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マーケティング・リサーチで分かったインスタント・コーヒーの意外な利用者。
マーケティングを円滑に進めるためには当然、意思決定のための客観的な判断材料が必要となります。
つまりマーケティング活動の改善を目的には、マーケティング・リサーチが重要となります。
今回はマーケティング・リサーチの事例とどうやってやっていけば良いのかを教科書みたいにいきます。
事例:ネスレのリサーチ
スイスに本社を置く食品企業のネスレはアメリカでインスタントコーヒーを発売しようとしましたが、消費者の予想外の抵抗に直面してしまいました。
多くの消費者がインスタント・コーヒーの便利さを認めているのにも関わらず何故か買わないのです。(しかもレギュラー・コーヒーより安いのに。)
調査をすると、多くの消費者は「味が良くないから」と回答しました。
しかしブラインド・テスト(商品名・メーカー名などを伏せた形で試食・試飲などを行う)の結果、ほとんどの消費者は”インスタント”と”レギュラー”との区別がつかないことを示していました。
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何か隠された理由があると確信したネスレのマーケターは、カリフォルニア大学のヘアー教授に調査を依頼し、インスタント・コーヒーに対する市場の強い抵抗の理由を明らかにしました。
主婦に対する面接調査
まず1品目を除いて、全て同じ内容の買い物リストを2種類作成しました。
リストAにはインスタント・コーヒー、リストBにはレギュラー・コーヒーが入っています。
挽肉 / パン / にんじん / じゃがいも /インスタント・コーヒー
挽肉 / パン / にんじん / じゃがいも / レギュラー・コーヒー
この2つのリストを用いて、主婦に対する面接調査が実施されました。
主婦たちは「このようなリストで買物をする女性はどのようなタイプの女性だと思いますか?」と訊ねられました。
この質問に対し、インスタント・コーヒーの入ったリストAを提示された主婦グループでは、多くの主婦が「このような買い物をする女性は何も怠け者で、あまり賢くない女性」だと回答。
この結果から、インスタント・コーヒーに対する消費者の抵抗の真の理由は味などでなく「インスタント・コーヒーを使うことで手抜きをしていると思われたくない。」という仮説が立てられました。
ネスレはインスタント・コーヒーを使うことで「家事に専念する時間、あるいは朝の忙しい時に家族と会話する時間が生まれること」「決して自分の手抜きではないこと」をメッセージに添え、ネスカフェ・ブランドの市場地位を確立することに成功しました。
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