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初夏の奈良を訪ねて③ 奈良市写真美術館~春日若宮十五社めぐり

ウグイスの声が響く高畑町、
新薬師寺のお参りを終えてさてどうしようかと考える間もなく、自然と足が西方向に向かいました。

新薬師寺へ来たのなら、ここに寄らないわけにはいかない。
大好きな入江泰吉の写真が待っている!


奈良市写真美術館


生涯、愛する奈良を撮りつづけた写真家・入江泰吉の作品を主に展示している美術館。訪れるのは2度目。

今回とくに事前リサーチはしていなかったけれど、ちょうど「塔のある風景」という展覧会が開催されていました。


HPより


この方の作品は本当に美しく、空気の質感や音までも聴こえてきそうな写真ばかり。

そして何より「奈良への愛」が溢れていて、ただでさえ大好きな奈良が、更に好きになってしまうという、ちょっと危険な場所。中毒が進む可能性大!


奈良の塔とは、
室生寺、斑鳩、薬師寺、興福寺、前日訪れたばかりの當麻寺もありました。

雪景色や、花が咲きこぼれる風景のなかに佇む塔などどれも素敵ですが、この日私の心を一番とらえたのは、夕月を写したいくつかの作品。


茜色から夜の青へと移ろう空と、そこに小さいながらはっきりと存在している

つきふねだから?
なぜかとても、月が気になる。
そして月を見ていると、懐かしい気持ちになる。

でも考えてみれば、奈良で月を見ることなんてあったかな?

日没後まで外歩きしているのは、お水取りのときくらいか。
あと、お盆の万燈籠と。

なんだかとても勿体なく思えてきました・・
これからは、意識的に「月を見る時間」をつくろう!そうしよう!




入江泰吉パワーで、”奈良愛”充電完了。

時間はちょうどお昼過ぎですが、奈良ホテルでいただいた朝食がたっぷりだったので、まったくお腹が空きません。笑

このまま歩けるね。
次はどこへ向かおう?

今日の目的はここまでで既に果たしたので、あとは閃きで、、

となると、とりあえずお気に入りの場所へ行こう。
大好きな春日の杜へ!


あ~、気持ち良い~


新薬師寺エリアから春日大社へ向かうにはいくつかルートがありますが、今日はかみ祢宜道ねぎみちを通ることにします。


境内マップ

上の祢宜道、この名前からして素敵。

祢宜道は上・中・下と3つあり、どれも明治以前は神職さんたちの通勤路でした。なかでも上の祢宜道は、上位の神官が通る道だったとか。

そんな由緒ある道を現代は一般人が通れる、なんだか不思議です。

道路から川を渡ると、そこはもう春日の杜。

意外にも外国人観光客が歩いてきます。
本殿付近に比べればもちろん少ないのですが、静寂を求めていた私はちょっとがっかり。

そこで、祢宜道からさらに脇道へ入ることにしました。
(でた、脇道好き!)


紀伊神社へつづく道


まさに理想の道が、そこにはありました。
人の声はなく、聞こえるのは鳥の囀りと木の息遣いだけ。

どことなく戸隠とがくしの「神道」を思い出す雰囲気。
原生林の木々はとてもパワフルで、歩いているだけで力が補充されるような、そんな感じがします。



右から、ひょっこり鹿ちゃん


紀伊神社へお参りしてから若宮へ向かいましたが、そこでもちょっと驚きました。

本殿奥に位置するこちらまでは、それほど観光客は来ないだろうと(自分のことは棚に上げて)高を括っていたのですが、甘かった。

中国語、英語、ドイツ語、フランス語、、
春日大社は外国の方にもやっぱり人気なんだなぁ。

そして途中、夫婦大国社まできたところで、大きな案内板が目に留まりました。

それがこちら



若宮十五社めぐり?どこかで聞いた名前・・・


あ!いまの今まで忘れていたけど、思い出した!
たしか2年前に来たときに

次はこれ、めぐりたいな~

って思ったやつ!
あのときは真夏の猛暑のなか歩いていて、髪を絞れるほどの汗と、クラクラしてきたのとで諦めた記憶が・・・甦ってきました。


若宮十五社めぐりについての説明:

若宮さまの周りには、人が一生の間に出会う様々な難所をお守りくださる神々がご鎮座されています。若宮十五社をめぐることにより、人間の一生をたどり、ご自身の生涯の安泰を心をこめてご祈念ください。

案内文より

生涯の安泰、、
すでに手遅れかもしれないけど、時間はあるし、これはぜひやっていこう。

ということで、さっそく夫婦大国社で受付をして十五社めぐりのはじまり~。


八房藤(やつふさふじ)
樹齢500年以上だそう

GW明け、すでに本殿前の春日大社名物「砂ずりの藤」は見頃を終えていましたが、若宮さんの八房藤やつふさふじは美しく咲いていました。

藤の花、大好きなんです。
春に咲く花のなかで、椿の次くらいに好き。

きちんと管理された藤棚も華やかでいいけれど、
その季節にしかわからない、山にふと現れる紫や白の藤の花を見ると、心が浮き立ちます。

こちらの八房藤も、朱色との組み合わせが美しい!
ちょうど良い時期だったということですね。
春日の神さま、ありがとうございます。


どうですか?この神奈備(かんなび)の雰囲気!


1番から順番に巡り、受付で渡された玉串札をお供えします。
小さなお社でも、それすらない遥拝所でも、どこでも同じことをお祈りするのが、わたし流。

15番中、若宮の次に人が多かったのは、14番の「金龍神社」でしょうか。やはり金運財運の神さまは人気なんですね~。

しかも以前はなかった(と思う)金色の龍像が置かれていて、若干俗っぽくなっていましたが、、みなさんいい笑顔で写真撮影されていました。

笑顔が多いって、いいですね。


美しきかな


のんびり十五社めぐりを終えてから受付へその旨申し出ると、御朱印(半紙に十五社分の印が押されたもの)とお守りが授与されました。


これで、生涯安泰に・・?!


念願の若宮十五社めぐり、これで成就しました。
満足したので、あとは気ままにお散歩タイム!




ここからは観光っぽい場所です。
よろしければ散歩にお付き合いくださいね。


奈良公園 飛日野


広大な芝生が広がる飛日野とびひの、絶好の散歩コースかと思いきや、鹿さんのうんちが至るところに転がっていて、つねに足元に気をとられました・・

そんなの気にしないよ!という人なら、眺めも良いのでおススメします。


ほのぼの~



奈良公園 浮見堂


奈良公園内イチ(?)風光明媚な場所、浮見堂うきみどう
ここからお月様を眺めたら、きっと素敵でしょうね。

ちょうど修学旅行生がボートを漕いでいて、賑やかでした。
いいなぁ、楽しそう!


猿沢の池より


興福寺 五重塔


奈良のランドマークともいえる興福寺五重塔は、修復工事に入ったばかり。おとなりの東金堂も、しばらく近づけません。完成予定は令和13年とあったので、この先7年間しばしのお別れ。

7年後、いったいどこで何をしているかな。


興福寺 中金堂




ただいま。


きょうも奈良をしっかりと味わいました。
そして明日は、ついにあの人と会います。

どうぞお楽しみに!


_つづく



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