世界に名前をつけていく。コロナきっかけで始めた、もうひとつの仕事。
今回はコロナをきっかけに始めることにした、新しい仕事の話をしたいと思います。
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2008年にアメリカのリーマン・ブラザーズが経営破綻し、いわゆる「リーマン・ショック」と呼ばれる金融危機が起きました。
その余波は間もなく日本にも訪れ、大小さまざまな企業が影響を受けました。危機をすこしでも回避すべく、広告費をカットして一時的に業績悪化をしのぐ、といった企業も目立ちました。
おかげで当時、フリーライターとして広告制作に関わっていた私の仕事はすべて消失。「このままではいかん」と頭を抱えて、フリーライターから文具メーカー経営へとジョブチェンジを図りました。
もちろんこうした事例は日本に限らず、激震地であるアメリカでも数多く見られたようで、ニューヨーク在住のライター・佐久間裕美子さんが書かれた『ヒップな生活革命』に詳述されています。
強欲な資本主義に翻弄された人たちが「それまでの価値観」を揺さぶられ、いずれもジョブチェンジを果たしたこと。もっといえば「マインドチェンジ」をした人たちの事例が丁寧に描かれています。
ただ、あのときの衝撃をはるかに上回るのが、このたびの新型コロナウイルスに伴うパンデミックではないでしょうか。
長引く混乱の中で職を変えた人、職を失った人、あるいは決まっていたはずの職につけなかった人、たくさんいるはずです。
所属していた会社がなくなったり、身売りされてしまったり、自身が経営している会社が業績悪化に苦しんだりと、何らかの影響を受けていない人を探すほうが難しいのではないでしょうか。
そんな中、各地で開かれている「創業セミナー」が大盛況だという話を耳にしました。
職を失って「後がない人」もいるでしょうし、生活様式の変化に乗じて「好機をとらえた人」もいるでしょう。動機はそれぞれながら、この先を生きていくための方策を模索している人がとても増えている。
つまり多くの人がコロナをきっかけに自身のマインドを変え、次のステージを見据えているのです。
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かく言う僕も、その中のひとりです。
ふだん経営している文具メーカーはコロナ以前からオンライン販売に注力していたため大きな影響は免れましたが、あのリーマン・ショック以来ぶりに「このままではいかん」と考えているのも事実。
「オリジナル文具を作って売る」以外の道もあったほうがいいのではないか。この先また何か大きな厄災に見舞われたときに「こっちの道もある」という選択肢を確保しておいたほうが時代の波におろおろしなくて済むのではないか、と。
そんな中でたどりついたひとつの答えが「ネームデザイナー」。さまざまなネーミング依頼に応えるというお仕事です。
いま、コロナきっかけで環境が変わり、考えも変わり、新たな道を歩み始める人たちがたくさんいます。
新しい商品を作ったり、新しい事業に取り組んだり、新しい会社を立ち上げたり。中には「自分にしかできない仕事」を突き詰め、独立し、その屋号がそのまま「新しい職業名」になった方もいます。
そして、そうした新たな取り組みに必要なのは「名前」だと、みなさんおっしゃる。
取り組み自体が目指すもの、大切にしたい思い、それらを内包する名前が最後のピースとなってカチッとハマり、自信をもって歩んでいきたい。そんな期待を込めて、ネームデザイナーに依頼を寄せてくださるのです。
まだまだ手探りなスタートですが、すこしずつお手伝いができている実感が湧いています。
最近では「ハイモジモジのオリジナル文具」の商品名を命名してきた経緯を知っていただいた上で、「ハイモジモジっぽいネーミングで」という依頼も増えてきました。
「この人に名前をつけてもらいたい」と名指しをいただいているわけで、ご期待に全力で応えるべく今日も奮闘しています。
そして、ネームデザイナー業をますます確立させるべく、このたび商標登録も行いました。
これで自分で名づけた職業名を、自信をもって名乗れます。
これまでの文具メーカー経営は引き続き行いつつ、副業ではなく本業の延長線上にある「もうひとつの仕事」として、さまざまな方の命名依頼に応えていきたいと思います。
公表できるネーミングについては、この先も随時noteで発表していくつもりです。
さあ、みんなで危機を乗り越えましょう。
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