オンライン日本語講師は副業向きか

未経験、無資格スタートで、1年半以上フルタイムで日本語を教えている私の経験から言って、日本語講師は決して「副業」に向く仕事では無いと思います。

ボランティア感覚とか、過去に日本語を教えていて経験豊富な方が、働く時間を減らして副業にするのはありだと思います。暇な時間に日本語を教えようにもある程度コミットしないと、生徒からの予約は入らないので時間つぶしにさえなりません。

本業から副業へのシフトはあり

後ほど詳しく説明しますが、「副」でしている限り、生徒の集まりも悪いし、仕事も覚えられないしでモチベーションが下がって、「日本語講師って仕事として成立しないじゃん」という気持ちになります。ただ、半年程度、全力で、起きている時間を全部充てるぐらいの気持ちで、生徒を募集して、教えればきっと生徒は集まるし、いいレビューも集まり、教え方も一気に覚えられます。固定の生徒が増えて、ひととおり教えて感覚をつかんだら副業へのシフトすることもできます。

「副」にしている限り儲からない

日本語講師は労働集約型の仕事です。時給は好きな値段を設定できるとは言え、レッスンをしなければ1円にもなりません。

そして良質なレッスンの提供には経験か必須です。週に10時間ぐらいしか教えていない先生と40時間教えている先生では、文法説明の機会が4倍違います。また生徒のレベルが様々なことを考えたら幅広いレベルを教えるスキルが必要です。幅広いレベルの教授経験獲得も、副業程度で経験を積もうとしていたら途方もない時間がかかります。

そして、経験のない先生の拙いレッスンやフリートークだけのレッスンに高いレッスン料を払う人はいないので儲からないでしょう。

非効率

また教え方に慣れるのは語学習得と同じで、あまりに細切れに休み休み習得しようとすると、なかなか身に付きません。

週に10コマレッスンがあっても、全員に同じレッスンをするわけにはいきません。久しぶりに教える内容なら、教科書に目を通しておく必要があるし、会話の授業ならネタも用意しなければいけません。

これに対しフルタイムの場合は、生徒が複数いるので授業内容に多かれ少なかれ重複があり、板書や説明のセリフが使い回しできるので効率的です。

生徒は基本的に選べない

なら、初級の学習者、会話だけの学習者に絞って得意な分野だけ教えればいいと思うかもしれません。ただ、制約が多ければ多いほど教えられる生徒数が限られてきます。中級以上は教えられません、JLPT対策はできません、子供は教えません、1日3時間しか教えられる時間がありません、といった風に教えられる条件を狭めていくと、生徒獲得は非常に難しいです。副業としてさえ成立しないでしょう。

好きな時間に好きなだけ教えることは不可能

オンライン講師は自分の生活スタイルに合わせて好きな時間に好きなだけ働ける、と言うのは半分嘘で半分本当です。

まず決まった曜日時間にレッスンを受ける方が多いので、急な予定が入ったりしたら、失礼のないようにスケジュール変更をしなければなりません。好き勝手に時間変更を繰り返していたら、ほかの先生に乗り換えられたり、悪いレビューを残されたりします。

好きなだけ働くのも無理です。レッスンを減らしたい場合は生徒に辞めてもらったり、長期お休みする旨伝えたりすることになります。ただ、その人たちはこちらの都合のいいタイミングで復帰してくれるわけではありません。新規生徒募集を再開しても、たくさん教える気になったからといって1週間でいきなり何人も募集できるわけではありません。

当たり前ですが、好きな場所で働くのも無理です。ワーケーション的な感じで旅行しながらホテルでレッスンはできますが、スタバでサクッと教えたりはできません。

ただし、年単位で教えた経験があり、オンライン講師業を生活の中心にして集中的に経験を積み、ある程度生徒が集まって、プラットフォームでレビューやレッスン完了数が増えたら、少しわがままが効くようになります。

半年以上教えている生徒なら、スケジュール変更も頼みやすいし、また生徒の生活パターンや性格も理解できてくるので、そもそもスケジュール変更をしていい生徒がどうか判断がつきます。

オンライン講師+α

ある程度、経験が積めたらスケジュールや収入を安定させるためにオンライン講師プラスアルファがあるといいですね。気分転換のために、全然関係がない分野でもいいですし、相乗効果があるものもいいです。

オンラインで生徒を募集するノウハウは応用が利くので、ヨガ、コーチングなどのサービスもいいですし、語学が得意なら通訳や翻訳などもいいと思います。私は実現できていませんが、外出の習慣を作る為に、接客の仕事を週に数回単位でできたらいいなと画策中です。

オンライン講師は生き方

オンライン講師で、ある程度のお金をもらおう、自分のキャリアにしようと思ったら、「副業」レベルでは非効率です。本業にする可能性を一切排除して、「楽な副業」だと思って始めるのは、辞めた方がいいかと思います。

オンラインで何かを教えるというのは、自分の性格や生活スタイルに合っているか慎重に見極める必要があります。不特定多数のひとに本名と顔写真をさらすこと、見知らぬ人との会話をリードすることが好きで楽しめるか。不規則、細切れの休み時間が自分や家族の生活スタイルに合うか、レッスン中、絶対に邪魔されない住環境であるかなどです。

やってみたら意外に楽しくて、生活に合っていたということも有ると思うので、案ずるより産むが易しでやってみるのがオススメです。仮に向いていないとしたら、さっさと挑戦して向いていないことに早く気付くこともさらに大切です。




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