「新御堂筋でTAROさんに出会った!!」大阪人アーティストの本気をみた
大阪人であれば、誰もが知る「新御堂筋」
大阪市西天満(梅田周辺)から箕面市(みのう)辺りまで、市内から北摂エリアを縦貫する自動車専用道路であり、新大阪駅から新幹線に乗る場合も多くはこの幹線道路を利用することとなる。
車で梅田あたりから新御堂筋に乗り、10分程走るとこれもまた大阪では有名な「淀川」が横断しておりその周辺は「淀川区十三」(じゅそう)と呼ばれるエリアである。
十三の中心地は繁華街で商店街も有名であるが、古い町並みも残る情緒豊かで大阪特有の個性的な雰囲気を醸しだす。
新御堂筋でその辺りを通過するとき、やたら目につく壁一面に描かれた壁画がある。
インパクトどころの話では無い。
通行する車両全てにパワーを発し、今も劣らぬ強い視線で人々に何か語りかけている。
「開き直る」という言葉があるが取り方によっては、良くも悪くも使え解釈できる。
人は生きていると様々な困難にぶち当たり、成功する時もあれば大失敗に終わるとこも多い。
TAROさんの言葉は「ダメ人間」という表現で「開き直る」強さと、自由になれることを教えてくれているようだ。
「自分を他人より良く見せたい」「プライドがある」「カッコつけたい」
「こんなことをすれば周りから笑われる(嫌われる)かも知れない」
人は勝手に自分の決めつけで、制約を設け「雁字搦め」になり
「答えが出せない悩み」で苦しむものだ。
「そんなのバカらしいよね! 自分をダメ人間だと思って生きればそんな成約からすぐに開放され自由になれるよ!」
僕らから考えると究極な生き方のようだが、TAROさんからすればそれがごく当たり前で、普通の生き方なのだろう。
この壁画制作のコンセプトは、大阪市淀川区の十三地区をアート活動で有名な、アメリカブルックリンのようにしたいと
「十三ブルックリン計画」と呼ばれている。
進めているのは地元アーティスト数名で、所有者にはモチロンのこと行政にも許可を取り、正式なプロジェクトととして進められているのだ。
間もなく始まる大阪万博に向け、十三という独特な情緒と雰囲気を持ったエリアを盛り上げようと始まった「淀壁プロジェクト」であり、その作品の一つでプロジェクトのモチーフとも思える「TARO壁画」である。
壁画の歴史は古く洞窟や古墳などの内壁に描かれ、人々が建物に住むようになると、それらは室内の壁や天井に描かれるようになったと聞く。
壁画には「神への想い」「死後の世界」「平和への願い」などテーマは様々だが「恐怖」「希望」「生活風景」「夢」「社会風刺」といった手に届かないものへの強いメッセージが込められている。
それらは誰もが見ることができ、壁画アーティストの表現は見た人それぞれの「人生観」「価値観」「感性」によってフレキシブルに判断できる。
だから魅力的で人々にパワーを伝えることができるのだろう。
こんな壁画を見ているとTAROさん流にいうと
「もりもりっと力がわいてくる」のである。
スマホ、SNSやメールのような一見便利に見えるコミュニケーション手段は、「感情を殺した伝達の速さだけを武器にした」便利なツールとして使われる昨今、「壁画アーティスト」はキャンバスとなる壁を探し求め、足場を立てよじ登り伝えたいことのために時間と労力をかけ、はるか昔に描かれた作風と同じ方法で壁に取り付き描いていく。
「壁画アーティスト」はこの街の素晴らしさを、世界の人々に言葉や人種の違いも超えた「スローガン」として表現しているようで、彼らの本気を感じてしまう。
沢山の作品と名言を残した「TAROさん」はこの壁画をみたらなんと言うだろう?
かなわぬ思いだが興味深々である。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?