資金調達に魔法はない!
ここ数年で、やたらめったら聞くようになりましたよね。資金調達。
今では毎日のようにSNSやニュースで「どこどこが〇〇億円の資金調達を実施!」みたいな話が出てきます。
起業をする人の中でも、資金調達って一つの指標であり目標ですよね。資金調達ができて、初めて名実共に起業家!みたいなイメージです。
ですが、あえてそれってどうなの?って僕は言いたい。
お金がどこからか降ってくるという勘違い
これは僕自身がそう考えていたこともあるので自戒を含めたお話ですが、実力の伴っていない起業家もどきほどこれをやりがちですよね。
「起業家しようと思うんです!企画書も作りました!」
「ほう」
「〇〇にイノベーションを起こします!そのためにこんなサービスあったらいいと思うんです!お金はないので、1000万くらい資金調達しようと思います!」
まぁ、よくある話です。
まず個人的にはイノベーションとか簡単に言うなと小一時間詰めたいところですが、企画の段階から資金調達ありきで事業を考えるのはめちゃくちゃ危ない。
当たり前の話ですが、アイデアがあればお金が振ってくるなんてのはお伽噺です。
たしかに最近はベンチャーキャピタルやエンジェル投資家など、投資をするという考え方は定着してきましたし、そのための人たちも増えてはいます。が、それでぽっと出の素人相手にお金を出してくるわけないんです。
資金調達の論理
資金調達には厳密な論理が存在します。
融資であれば、返すことができるのか。投資であれば、上場もしくは買収にまで持っていけるかどうか。
そして、もちろんお金を出すに値するほど信用できる存在なのかどうか。
要は、ちゃんと儲かるのかそれはって話です。融資と投資を比較して、投資の方が返さなくていいしリスクがないとか言いますが、返さなくていいということは失敗したときのリスクは出資者が背負うわけで、そりゃ見る目も厳しくなるし、いつだってお金を握ってるほうが立場は強くなります。リスクから逃げれば、違うリスクが生じる。ここを勘違いしてはいけないんです。
また、最近では資金調達の方法も増えて、クラウドファンディングみたいなのも出てきました。
ですが、あれもまた夢を語るだけでお金が集まるってわけではないんです。結局は直接の知り合いに頭を下げて、地道に広報を続けて、信頼を積み上げていくめちゃくちゃ泥臭いものです。
買ってもらうにせよ、投資してもらうにせよ、お金っていうのを動かすには生半可な力では駄目ってことですね。
アイデアに価値はない
資金調達含め、根本的な勘違いはここにあると思います。
要は、人は目に見える物になるまで価値を見出してはくれないってことなんです。
どれだけ綿密な企画書を作ろうが、素晴らしいアイデアを出そうが「ほんとに売れるの?それ」って言われるのがオチです。最悪なのだと「データは?」とか「裏付けは?」とか言われます。
アイデアなんてものは、革新的だったり斬新であればあるほど、他人からは信じられないように見えるものです。
今では、GAFAなんて言われて持て囃されている企業だって、形になる前は「そんなの売れないよ」と言われてきています。それだけ、他人に価値を見出させるというのは難しいんです。だから、考える側もアイデアと計画さえ練ればいいんだっていうのはただのサボりです。
まずはアイデアを目に見える形や触れる物にしたり、小さくてもいいのでやってみて、実績を積み上げる。そこまでやってようやく人が話を聞いてくれる段階にまで行けるんです。
ここを面倒がってサボる人間は起業家にあらずというわけです。
アイデアマンとかいう体の良い逃げに甘んじてはいけないってことです。
信頼を積み上げてこそ、お金は集まる
僕自身、今やっているBookBaseという出版プラットフォームの開発のために資金調達に奔走したり、クラウドファンディングをやったりして、世の中甘くないなというのを感じている次第です。
そんな中で資金調達という言葉だけが先行し、ちょこざいな小手先の話ばかりが出てくるのはいかがなものかと思いますし、事業について何も語られないまま、資金調達した‼というのだけで評価されるのもおかしいと思います。
そもそもの話ですが、資金調達を外部からするのって本当に必要なの?っていうのも自分に問うてみるのも大切です。必要もないのに、余計なお金を集めたことで無理な方向に成長せざるを得なくなるというのもよくある話です。
大事なことはあくまでも「事業の成功」でり、「サービスを世に出し、必要とする人たちに価値を提供すること」です。
お金を集めるっていうのはその手段でしかない。
それだけは忘れずに、常に成功への最善手を考えていこうと、僕も思います。
終わり。
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