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ワクチン未接種者を責めよ!ーファシズムと闘うアメリカ(2)感染は誰の責任?

謝らない権威に必要な責任転嫁先

前提として、ご存知の通り、アメリカは絶対に謝らないカルチャーです。と、断言するには、過ちを認め、謝るアメリカ人もいますので、あくまで”謝らない傾向にある”という言い方の方が良いのかもしれません。とは言え、特に権威が高いとされる人は、びっくりするほど過ちを認めません。だから、責任転嫁する相手を徹底的に攻撃します。日本にもそういう方がいましたよね。安全性の高さで世界的に信頼度の高い日本の自動車会社に、まさかの責任転嫁。CDCやファウチ博士も全く同じことをしています。感染増の責任、デルタ株(ブレイクスルーケース)の出現の責任は、ワクチン未接種者にあると

日本でも放送された、一家全員が感染してしまったというとあるアメリカの看護師さんのインタビュー。小さなお子さんまで重症化してしまったのは、とてもかわいそうなことで、その原因が看護師である母親が病院での感染となるならば、やりきれない気持ちも、同じ母親として十分理解できます。ただ、医療現場のプロである彼女に違和感を感じたのは、「その責任は未接種者だ!」と叫ぶ姿です。なぜ、未接種者の治療のために、疲弊し、感染し、子どもを重症化させてしまうことになったのか!とひたすら未接種者の責任だと・・・少なくともそのような編集でインタビューは流されました。

本当の感染原因は?

彼女のお子さんが感染したのは、特定の患者の責任なのでしょうか?仕事中に感染したのならば、残念ながら、その病院のPPE(感染から個人を守るもの)の取り扱い、またはプロコトールに問題があったということがまずは問題視するべきです。これは何も病院を責任追及すべきと言っているわけではありません。問題を本当に解決したいならば、真の問題点に焦点をあて対策を検討すべきです。プロコトール通りに行っていたのにも関わらず感染したのならば、そのプロコトールは見直すべきですし、PPE不足でしたら、不足の解消をするべきです。患者が多くて、プロコトール通りに行うのが難しいという場合は、そこを解決するべきです。

ちなみに、日本人が持つ衛生観念というのは、日本だけのものと考えた方が良いです。アメリカでは、子どもたちのお迎えに、医療従事者は白衣(白ではないので、白衣と言っていいのかわかりませんが。)のまま現れます。パンデミック後にどうしているかはわかりませんが、コロナがなくても、白衣で通勤するというのは、ちょっとびっくりします。また、ラボ内の(サンプルを入れておくような)冷蔵庫には、「個人の飲み物は入れない」と張り紙がされていたりします。SARSの時には、中華圏のとある病院で、「医療処置している部屋の冷蔵庫(医療用)に保管していた、個人の飲み物を飲んだ医療従事者が感染」というニュースもありました。ヒーローである医療従事者を批判する論調の記事はすぐに無くなっていったため、その後、話題になることはありませんでしたが、ものすごい衝撃を受けたことで記憶があります。張り紙が貼ってあるには、張り紙が貼ってある理由があるのです。あとは、”大きな声を出す時にマスクを外す”という人が少なくないのも、それこそCDCかファウチ博士には、注意喚起してほしいものです。仮に、彼らのお勧めの二重マスクをしていたとしても、大声出すときに外されては全く意味がありません。

このようなびっくりするようなことが起こっていないにしても、院内で感染者を出してしまったということは、PPEまたはプロコトールに何か問題があったことを疑うべきです。主張通り、ワクチン未接種者のせいで感染したというなら、ワクチン未接種者を受け入れている全ての病院で、医療従事者の感染が起こっていることになります。

家庭の防災に、感染対策マニュアルを!

”問題解決”の視点から、厳しいことを言うのであれば、家庭内感染は、医療従事者でなくても想定内のことです。とあるニュース番組では「(ワクチンが打てない)乳幼児のいる家庭で、ワクチン接種者はマスクをするべきか?」という質問を度々尋ねているアナウンサーがいました。在宅勤務者に比べるならば、いろいろな人と会う職業であることを、おそらく彼女は”ハイリスク”と捉えているが故の質問ではないでしょうか。随分前の話になりますが、品川庄司さんがコロナになった際に、妻の藤本美貴さんがいかに家庭内感染を防ぐ対策を行ったか?という動画をあげていました。家庭内でウイルスを広げない対策というのは、どの家庭でも必要なものではないでしょうか。「頑張っている医療従事者を非難するなんて」という意見もあるかと思いますが、これは誰が悪いという話をしたくて言っているわけではありません。真の問題に触れることなく、有効な対策は考えられないと思うからです。

地震や台風等、他の災害と同様、他の方の体験談等から、万が一、家族の誰かが感染したら?というシミュレーションは家庭内でしておくべきです。その上で、初期治療を行っている病院(オンライ治療)のリストアップや、サプリメント(ビタミンD、C、亜鉛、メラトニン)は”防災グッズ”として揃えておく方が、万が一の時に慌てないかと思います。N94等のマスクや使い捨て手袋、小まめにゴミをまとめられるビニール袋等も必要です。可能であれば、トイレは別の方が安心と言われていますから、簡易トイレ等も役に立つかもしれませんし、別にできない場合には、除菌スプレーが活躍するでしょう。隔離できる部屋がない場合には、パーテーションや十分な換気が行える工夫を予め考えておくべきでしょう。隔離施設に行く必要がある場合の入院グッズもあると、いざという時に慌てません。この辺は、すでに備えてある防災バッグを応用することができるかもしれません。また、買い物に行くことが困難になった時、非常食は役立ちます。主に調理を担当していた人が感染した場合にも、残りの家族で調理できるような準備をしておけば、安心です。個々の家庭の事情に応じて、親戚や友人に子どもを預けることはできないか?(その場合、検査等のプロコトール)等の検討も必要かと思います。

軽症のもたらす危険性

1つ気をつけないといけないのは、デルタは多くの人にとって”軽い症状”であるということです。日常と同じ生活を送ろうと思えば送れてしまうのです。ただし、自分にとっては軽症のデルタでも、年齢や慢性疾患、免疫の状態によっては重症化する懸念もあるというのが怖い点です。症状が出ていても、家族のために調理をしようと思えばできてしまいますが、感染対策の点からも、療養の必要性の点からも、症状がある人が調理することはできるだけ避けた方が良いかと思います。

軽症ゆえの危険性を示す事例には、症状をアレルギーだと思い込んで、子どもたちにコロナを感染させてしまったカリフォルニア州の教師の事例もあります。症状が重ければ、きちんと検査を受けたり、受診したりするはずですが、軽症ゆえに、ウイルスをばら撒いてしまう懸念があることは、個々人が理解しておくべきことだと思います。ちなみに、ウイルス量はワクチン接種の有無に関係なく、同じ量だということも明らかになっています。ワクチン接種により自分の重症化は軽減できるかもしれませんが、他人に移してしまう懸念は変わらないのです。CDCをはじめ、政府はなぜこのような注意喚起を行わないのでしょうか

科学データの政治的利用

デルタ株感染者の74%がワクチン接種者だというデータを出してみたり、感染・重症化するのは未接種者が〜倍みたいなデータを出してみたり、CDCが発表するデータには一貫性がありません。それもそのはず。CDCが出してくるデータは、ある地方で起こった、期間の切り取りや接種者の設定が微妙なものばかりだからです。自分たちの行いたい政策を裏付けるデータを探してきて発表しているのではないか?とさえ思ってしまいます。国全体のデータを出しているイギリスや、イスラエルのデータの方が信頼性が高いと言えます。

そもそもCDCの指示では、ワクチン接種者のPCR検査はCT値20で良いとしていますし、陽性者の数ではなく、症状が出た患者数のみを記録するようにとしています。CT値が高ければ、偽陽性がたくさん出てしまうため、この点を問題視する声は昨年の夏からすでにありました(【論争】PCR検査の問題点)が、変更したのはワクチン接種者を対象としたデータのみです。このような操作されたデータをもって、「未接種者の方が〜倍も感染している」と言われても、CT値や前提が異なるデータを比較することにどんな意味があるのでしょうか?

本当の問題(CDCやファウチ博士の医療政策の失敗)から、目を逸させるためのスケープゴートとして、ワクチン未接種者を使っているに過ぎないかと思います。その際たる例は、バイデン大統領の「(一部)ワクチン義務化」についての大統領令だと思います。アフガニスタン政策で、いろいろな失態、そして嘘が明るみになってきたため、非難をかわそうと出したのでしょう。そもそもCDCもファウチ博士、そして、ホワイトハウスの報道官サキ氏ですら、「義務化は連邦単位で出す類のものではない」と言っていたのですから。

9月6日付、CNNの報道によると、“民主党支持”有権者の21%が「後悔」しているのだそうです。あのCNNが!ですよ。ファウチ博士も、機能獲得実験への助成についての新たな証拠が出てきてしまってます。この方はまだテレビのインタビューに科学的な権威として出演しています。アメリカで頂点に立つ人は、これくらいの心臓の強さが必要なのでしょう。噂ベースですが、バイデン大統領の罷免はなかなか難しいそうです。なぜなら、そうすると、カマラ・ハリスが大統領になってしまうからです。彼女の不人気ぶりはバイデン 以上と言われています(データで見たわけではありませんが、これまでの彼女の言動を見ていると納得です)。そう言った意味では、卓越した副大統領選定能力だったと言えるかもしれません。

いずれにせよ、CDCやファウチ博士は、科学ではなく政治を元に発言しているということを、いまだに科学権威信仰しているアメリカ人に知って欲しいと思います。ニュートラルな立場で、彼らが言っていることを時系列に並べると、すぐにわかると思うんですけどね。未接種者を責めたければ責めれば良いですが、それでは何の解決にもなりません。コロナ対策の世界的な頂点ともいえる、彼らが、自分たちの失態の責任を、ワクチン未接種者に押しつけ続けるかぎり、パンデミックの収束は難しいのではないでしょうか。

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