インターナショナルスクールで驚いたこと(試合の応援に来る父兄)

「この試合の日って平日だけど、このリストに載っているお父さんたちはいったい何時に職場を出るの?」目の前のリストを見ながら、よく考えていたことだ。

インターナショナルスクールの部活動は、日本の学校と違いシーズン制で活動をしている。秋は女子バレーボール、テニス、クロスカントリー。冬は男女バスケットボール、男女水泳(学校の設備として、温水プールがある学校のみ)、女子フィールドホッケー、レスリング、春は野球、陸上、ソフトボールとある。アメフトは米軍基地内の学校と都内のインターナショナルスクール一校だけ。チアリーディングも全部の学校にはない。サッカーは男女でシーズンが違ったりした。

わたしは小学校から高校までの部活動のスケジュール等を管理する役職者の秘書をしていたので、なんとなく当月のスケジュールは頭に入っていた。都内・横浜のインターナショナルスクールの対抗試合は、リーグ戦で試合が行われる。試合場所は「ホーム・アウェイ方式」が多かったので、自分たちの学校か、相手の学校かで準備をすることが違う。米軍基地内の学校でのアウェイ試合だと、何かと準備が大変だった。試合日程の2週間前にはメールで「〇月〇日○○基地内で試合があります。試合を観戦したい父兄はxx日までにご返信をお願いします。」とチームに所属する生徒の父兄に一斉メールを送信する。基地内で試合観戦するために所定の手続きがある。父兄の名前、国籍、パスポートナンバー、車種等をリストにして相手校の担当者にメールで送らなくてはいけない。

米軍基地は、都心から離れた場所にある。インターナショナルスクールに子供を通わせている家庭は、海外企業の駐在員や在日外国大使館の職員(なかには駐日大使がいたりする)が多いので、当然勤務場所が都心だ。試合は週末だけではない。平日の夜に試合がある場合もある。団体競技の試合は二軍の試合が先に行われ、その後一軍の試合が行われた。二軍は17時半、一軍は19時の試合開始が多かった。試合場所が米軍基地だと車で2時間はかかる。余裕をもって、試合開始の3時間前に出ると相当早い時間に職場をでることになる。「みんなそんなに融通が利いちゃうの?」と疑問が出てくる。

アメリカでは人生の優先順位が「①家族②健康③仕事」なのだ。よく大リーグ出身で日本のプロ野球助っ人選手が「奥さんの出産のため、戦列を少し離れます」という話を聞くと、びっくりされがちだがアメリカ人の考え方として「家族はなくてはならない存在で、代わりの存在がいないから」というものなのだ。

駐在員や大使館職員はかなり上の役職者が多いので、勤務時間に関する融通はすごく利く。子供の試合観戦という理由で早退扱いされてしまうような時間で退勤する場合は、数日前から朝7時に出社して埋め合わせをしたりすると聞いた時に納得したのを覚えている。

いわゆるホームでの試合にそれとなく観戦をしていると、結構な数の父兄が応援に来ていた。試合の撮影している父兄もいたが、我が子に熱い声援を送っている父兄がとても多かった。微妙な判定があったりすると、日本の学校の父兄のざわつきなんて比較にならない。「あの審判はどこに目をつけているんだ!」と、頭に血が上りかけている父兄を目撃したりこともあって、この光景も海外ドラマみたいだなと思ったりした。



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