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35歳のおじさんがプロダンサーになるまで3rd season④〜最後の試練〜

30歳。

そして、30代最初のダンスバトル『Funky People』。

ここで負ける訳にはいかない。

10代でダンスが好きになり、20代でダンスを始めた。
そこから、これまで、一切、結果が出せなかった。

ついに30代。
ここで結果が出なければ、

"ダンスをやめよう…"

もちろん、誰かに「やめろ」と言われた訳ではない。

しかし、これからのことを考え、ダンスにお金も時間もすべてをかける向き合い方には、ケジメをつけようと思った。

『Funky People』のレベルはもの凄く高かった。
普通に考えれば、予選通過も厳しいだろう。

しかし、
「できるか」ではなく、
「やる」しかないのだ。

並々ならぬ気持ちで挑戦した。


運命の予選通過者発表。
心臓がバクドクと、不規則に鼓動して暴れているようだった。


結果……


予選通過……


ならず。


周りには悟られないようにしていたが、まるで床が抜けて足が宙ぶらりんになってるかのように、足から力が抜けた。

生きてきて本当に立つのがやっとになった時は、この時だけだ。


そこからは、記憶がない。

本当に信じられないぐらい落ち込んでいたと思う。

頭の中は、

(ダンスをやめたくないダンスをやめたくないダンスをやめたくないダンスをやめたくない……)

この言葉がひたすら繰り返されていた。

潔くやめれる訳がなかった。

決して恵まれた環境では無かったが、ダンス以外のことは全て切り捨てたと言えるほど努力をしてきた。

いつかどこかで報われると期待していた自分がいた。

しかし、運命は味方しなかった。

ダンスの神様は、最後まで私にほほえまなかった。

相変わらず相方のメグちゃんは予選通過して、活躍した。
パートナーとして、悔しさ以上に情けなさと申し訳なさがあった。


そんな矢先、『Majestic5』のMalさんから連絡が突然あった。

「今度『POP LOCK BOX』っていうイベントで、日本代表チームとして出るけど、ノッポ観にくる?」

『POP LOCK BOX』
分かりやすく書くと、ダンスの地球一を決めるようなモンスター級のバトルイベントだ。

根拠はないが、直感が働いた。

「このバトルを自分は観に行く運命になってる」

「何か」は分からないが、「何か」が起きる。

メグちゃんにその想いを伝え、最後の逆転のチャンスを掴むような気持ちで、有明コロシアムに向かった。

ダンス人生のロスタイムが始まる。


【未来の自分から一言】
事実は小説よりも奇なり。
キミはまるで物語に閉じ込められたように、起承転結の上を歩く。
この物語の結末は、自分の目で確かめよう。

《リスタート》へ続く…



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