中学生・高校生における自学自習の基本②

今日は「②ワクワクする目標設定(長期・短期)」について書きます。
これは「どうすれば勉強に対するモチベーションを上がるか?」という、極めて重要な問いに関するお話です。

ぶっちゃけ、高学歴のメリットだとか勉強すること自体の価値をしっかり理解した上で、それをモチベーションとして勉強を頑張っている中学生・高校生なんてほとんどいないのではないかと思っています。

私も、出来るだけ中高生にもわかりやすい様に、学歴や勉強する価値を都度都度伝えていますが、「勉強しないと後から大変だよ」レベルの一般論で生徒のモチベーションに火が付くことは殆ど有りません。

なぜなら、「実感が湧かないから」「ワクワクしないから」です。

多くの子供は、目の前の「やりたいこと・楽しいこと」「やらなければならない(と言われている)こと」しかしません。
・ゲームは楽しいからやる
・勉強はやりたくない、だけど学校のテストもあるし先生も親も勉強しろって言うから仕方なくやってる、興味はないけど習慣としてやっている
そして、「やらなければならないこと」をやる時のパフォーマンスは低くなりがちです。

では、どうすればモチベーションは上がるのか?
私が注視していることを書きたいと思います。

(1)ワクワクする目標設定

勉強のモチベーションが高くない子は「自分は勉強が苦手なんだ。。」「頑張ってもこれくらいが限界。。」などと、自分を過小評価していることが多いです。そして近視眼的に物事を捉えています。
しかし、中高生レベルの勉強であれば、本人が本気になって、十分な質量と正しい方向性で努力すれば、(必要な期間は人それぞれですが)超上位層に食い込むことは現実的に可能なわけです。

よって、視点をリセットして気持ちを前向きにするために

①今の成績は一旦全て無視して
②こんな自分になれたら超かっこいい!という理想像を尋ねて、深掘りして、
③現実化した場合に起こる、その子の心をくすぐる「嬉しいこと」をイメージさせて(例:「そんな君になったら、親や先生、周りの友達もみんなびっくりして「すごい!!!」って褒められまくるね!友達の出来杉君も「どうやって勉強したの!?教えて!」って聞いてくるね!)
④「今の成績なんて全く関係ない。やることやれば必ず現実になるよ。◯◯(具体的な戦略)をすれば良い。まだまだ時間もある。やり方は教えるし、フォローも俺がする。大変だけど、君なら必ずできる。俺が保証する。どうする?やる?」と訊く。(生徒からの信頼と尊敬を得ていることが前提です)

といった会話をします。
すると、生徒の顔が、諦め→ワクワク→覚悟に変わります。
勉強することに、強い理由が生まれます。


このプロセスにおける「こんな自分になれたら超かっこいい!という理想像」が、「ワクワクする目標」です。

(例)
・学年平均点くらいの成績ならば、Top10を目指す
・上の下くらいの成績ならば、学年1位を目指す
・英語が好きならば、高校のうちに英検1級取って海外留学する
・理科の特定分野が好きなら、Newtonや専門書を読み漁って学校で一番詳しくなって、関連する企業や大学の研究室を調べて訪問して、なんならプロジェクトも立ち上げるくらいして、テストで学年1位の子からも尊敬される

理想の自分を想像する時、人はワクワクするものです。
勉強を頑張ればかっこいい自分になれるとう未来を描ければ、モチベーションは上がります。
しかし、1人で描くことは意外と難しいす。
よって、引き出してあげるということです。


(2)勉強を「自分事化」して、「実感が湧くもの」にする

子供にとって勉強が「自分の人生への影響が大きいな」「サボったらやばいな」と思える存在にすること。

私の教え子の1人に、サッカーが大好きで、将来は本気でプロになりたいと思っている中学生がいます。
サッカーだけやっていればOK!とはいかず、手元にある進学の選択肢で、プロになれる可能性がある高校=行きたい高校の偏差値が高いのです。
すると、自分にとって重要な「プロになること」と、「勉強を頑張って志望校に入ること」の方向性が一致し、勉強が自分事化されます。
先生や親に強制されている勉強、ではなく、自己実現のために乗り越える壁としての勉強、になります。
そして、勉強をサボるとプロになる可能性が絶たれるという危機感(実感)も湧きます。
結果、勉強へのモチベーションは必然的に高くなります。
(逆にプロになる道を諦めた場合は、モチベーションが無くなる可能性が高いです)

一般化すると「君が将来なりたい姿になるためには、勉強って必要だよね」というストーリーを子供が納得した時、モチベーションが湧きます。


(3)勉強という行為に快感を見出す

特に大きな目標感が無い生徒の場合は、「快感」が効くと思います。
逆にこの「快感」が無い場合、ワクワクする目標があって自分事化していても、勉強は苦しくなります。

・問題を解いて正解する快感を覚える。
・わからない内容がわかる様になる快感を覚える。
・解いた箇所を全て正解する快感を覚える。
・努力すれば結果として現れる快感を覚える。
・良い結果を出して褒められる快感を覚える。
・良い結果を出してご褒美(報酬)を受け取る快感を貰える。

これらの快感を覚えると勉強自体が苦ではなくなります。

得意科目はこの快感があり、苦手科目はこの快感が無い、というケースが多いイメージです。

現在モチベーションが低い子の場合、大切なのは小さな成功体験ですので、教育者や親が設計してあげる必要があります。

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